20200623 『EdTechが変える教育の未来』
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久々の読書記録。個別化教育の要である「EdTech」について,とてもわかりやすく書いてある。ありがたいのは重要キーワードがゴシック体で示されていること。読書の時間が取れない身としては,このキーワードを拾って読むだけでも全体の大まかな主張は掴むことができる。今まで,こうした体裁の本は好きになれなかったのだが,これはいいなぁ。研究者の風下にすらも置けないような読書量の乏しい私にとって,読書のリハビリにもなる良い本だった。本当に,読書は体力だなぁ。トレーニングしなければ読書はできない。まずは強制的に読む時間が与えられ,その中で読み続けることが必要だ。その時間はかなりの量が必要である。そうでないと,読書のための体力を養うことができない。
目次の
第1章 なぜエドテックが必要なのか
第2章 エクステックが起こす変化とは
第3章 海外で進むエドテック
第4章 徐々に増えてきた日本のエドテック
第5章 文科省・経産省の動き
第6章 教育をデザインし直そう
海外でのエドテックの動きがすごかった。特に中国。中国のICTの動きは本当に進んでいる。日本が先進国だなどと恥ずかしくて口にも出せないくらい,中国はすごい! いやはや,一体いつ日本はこんなに体たらくになってしまったのだろう。
日本のエドテックの動きも面白かった。私の知らないWebサービスがたくさんある。個別化学習はもう実用段階だなぁ。しかし,我が子たちを見るに,まずは学校の課題・宿題をこなすのに精一杯。このWebサービスによる個別化学習さえあれば,学校などいらないのかもしれないな。ただし,それは学ぶ意欲を持ち続ける者だけの話だろう。普通の子どもは「学校空間」という装置がないと自ら勉強しようとはしない。そこが解決できれば,Webサービスの方がいいのにな。
所々に挟まれた対談が楽しかった。高齢者プログラマーはすごいね! プログラミングについては課題も多いのだろうが,これからの教育を動かす力になるだろうな。つまりは「ものづくり」だ。手に金槌や鋸を持つ代わりに,パソコンでコードを書くのだ。どちらもものづくりには変わりない。「ものづくり」という観点でプログラミング教育を考えるべきなのではないか。やれ論理的思考だとか,プログラマー養成だとか,そんな視点よりもよほど子ども自身の感覚に則しているように思う。
面白かった! 良い本だ。そして,読書の楽しさを久しぶりに思い出した。