20190522 読み聞かせ実習のアンケート調査を分析した
先週の木曜日に、読み聞かせ実習の2回目が終わった。そして、アンケートの事後調査を行なった。そのアンケート結果を集計し、統計的分析をした。それが昨日、なんとか終わった。今回、用いたのは2要因混合計画による分散分析である。Macでも処理できるのと、慣れ親しんだツールだということで、js-STARを久しぶりに用いた。いやぁ、js-STARの入力方法が少し変わっていて焦ったこと。js-STARは細かいヴァージョンアップが繰り返されている。おかげで精度に信頼は置けるし、有用なツールなのだけれど、久しぶりに使った身としては慣れたアピアランスではなかったもので、少し焦った。でも、すぐに慣れることができた。 通常の読み聞かせと考え聞かせと対話読み聞かせを3つのクラスに振り分けて実習させ、その前後に同じ内容のアンケート調査を行う。その結果を分散分析で分析するわけだ。苦労してデータ形式を整え、1項目ずつjs-STARに入力する。Excelで下処理したデータをコピペで貼り付けて行くことができるけれど、26項目もある調査の1つ1つについては、1つずつ入力していかなければならない。まあ、データを貼り付け、分析ボタンを押すとすぐに結果が出てくるので、その意味では楽しくも苦しい作業である。およそ2時間くらいかな。分析作業は終わった。 しかし、1項目ずつ分析が進み、次第に思うわけだ。おいおい、これはこちらの予期していた結果にはならないぞ、と。今回は3つの手法の違いを分析しようとしているわけだ。実は、これにはかつて苦い経験がある。同様に3つの学習手法の違いを分析しようと実験計画を練り、3つの異なる方法で授業を行い、いざ分析だと意気込んでみたが、結果はこちらの思惑を反映するものではなかったことがある。その時の嫌な予感が頭をかすめる。これは今回も似たようなことになりそうだ、と危ぶみ始めた。というのは、統制群として設けていた「通常の読み聞かせ」の方に統計的意味のある変化が出てきたのだ……。
分析が全て終わり、危惧は現実のものとなった。統制群であるはずの方に有意の結果が出てしまった。正直、がっくり、である。しかも悪いことに、今回の実験結果は6月2日の全国大学国語教育学会茨城大会で発表する内容なのである。いやぁ、やはり学会発表というのは現在進行形の研究を発表しちゃいかんなぁ、しっかり分析まで終わったものを発表すべきだなぁ、と焦っていたのだ。 しかし、分析結果を時間をおいて考え直したところ、意外にこれは私の主張を裏付けるものになっているのではないか、と思い始めた。そう考えられると、現金なもので、俄然やる気が出てくる。今日は、この分析結果を元に学会発表資料となる表作りをせっせとしていた。人間、考え方次第でどうとでもなるものである。
この分析結果から4つの考察を導くことができる。順に書くと……
3つの読み聞かせ手法は、基本的にはどれも学生の読み聞かせ観を向上させるのに役立つ。
通常の読み聞かせも、読み聞かせ観の変化に寄与する。
対話読み聞かせによって、1つの方法についての意識を変えることができる。
考え聞かせは、今回の実験でも学生が身につけにくいものだと感じている。
ここから導出されるのは、考え聞かせの指導法について、より学生にわかりやすい方法を開発していく必要がある、ということだ。これらの考察は私の従来からの主張を裏付けるものとなっている。いやぁ、案外いい方向に行っているのではないのかな。
研究発表も、なんとか乗り切れそうだ。頑張れ! 私。