2018年5月
2018/5/31
いっしょ読みの授業が終わりました。今日の1限から3限まで、3コマ連続の授業でした。いっしょ読みについて、テキストに基づいて解説をし、テキストにも紹介されているYoutubeのビデオ映像を見せて、いっしょ読みについて学生に理解させようと努めました。 その後で、私自身がいっしょ読みの実演をし、彼らに見本として示しました。昨日も書いたとおり、『きょだいな きょだいな』を用いていっしょ読みをしました。この絵本は「あったとさ あったとさ…」で始まるように、繰り返しの言い回しがでてきます。しかも七五調のリズムもあります。子どもたちに教師と一緒に読ませるには都合がよいなと思います。また、どのページにもキツネが出てきます。その様子を注目させたいとおもいます。また、最後のページにはなぜかキツネが出ていません。その理由は裏表紙で明らかになります。こうした意外性への解釈について、考え聞かせで子どもたちに伝えるにもよい、と思います。惜しむらくは、文章を読めるようになるためのサポートが十分にはできなかったことです。オノマトペの部分を付箋で隠して、学生たちに当てさせたりしました。でも、オノマトペだけでなく、上手に読むための読み方の工夫についても学ばせたいところでした。
学生の感想をいくつか挙げてみます。
今回初めてビッグブックの読み聞かせを見ました。大きい分見やすく、迫力もあり、また先生が読んでくださった『きょだいな きょだいな』はリズムがつけられていてとても面白かったです。
先生のいっしょ読み、面白かったです。全員が楽しめて、次の展開を考えられて、より話が頭に入ると思いました。実習でやってみたいです。
先生の読み聞かせに参加してみて、いっしょ読みは楽しいなと感じました。繰り返しの言い回しや韻を踏んでいると子どもたちも楽しんで読み聞かせに参加できると思うので、探してみようと思います。
先生がいっしょ読み聞かせをしてくださったのがすごく楽しくて、これは私もできるようになって子どもたちといっしょ読みしたい!と思いました。準備は大変だけど、とりあえず来週に向けて頑張りたいです。
大半の学生から好意的に受けとめてもらえたようで、私も嬉しいです。と同時に、いっしょ読みの可能性の大きさについて、学生も感じ取ってくれたようです。
来週は学生自身にいっしょ読みをやらせようとしています。まず、いっしょ読みをしたい絵本を持参させ、シナリオ(指導計画)を作成させます。どのページでどんなことを語り(やって)、予想される子どもの反応はどんなものかを書かせようとしています。その後、4人グループで順番にいっしょ読みを演じさせ、自己評価・他者評価をさせようと考えています。さて、彼らはどんないっしょ読みを展開してくれるか、楽しみです。
2018/5/30
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51ak68pmcUL._SX339_BO1,204,203,200_.jpg
この『読み聞かせは魔法!』をテキストにして、2年生への授業をしています。この本は、欧米での読み聞かせの方法を紹介していて、「対話読み聞かせ」「考え聞かせ」「いっしょ読み」の素晴らしい意義と効果を、その具体的なやり方とともに紹介しています。これだけの読み聞かせの方法をまとめて紹介した文献は、おそらくこれが最初でしょう。特に「いっしょ読み」は日本の教育界にほとんど紹介されてこなかったと思います。その意味でも、とても貴重で実際的に役に立つ文献です。
私は4月からの2年生の授業で、この本をテキストにして、紹介されている読み聞かせの方法を解説し、学生たちに実際にやらせてきました。「対話読み聞かせ」も「考え聞かせ」もやらせました。単にやらせるだけでなく、1コマを使って解説と試みをさせた次の授業で、1コマを使って学生同士で模擬実習をさせました。グループ内で演じさせ、自己評価し、メンバーからの他者評価もさせました。さらに、その実習の様子をiPadを使って録画させ、録画した自分の姿を見ながら検討会もさせました。
そして明日、これらの方法の集大成的な方法とも言える「いっしょ読み」を解説します。「いっしょ読み」はテキストをクラス全員が見られるようにして、教師と一緒に絵本を読み味わうよう促される読み方です。その中で、絵本の文章を教師と一緒に声を出して読ませたり、読みながら考えたことを話したり(考え聞かせ)、内容の理解を深めるための質問をしたり(対話読み聞かせ)します。この「いっしょ読み」について、テキストを読んで私なりにまとめたものを学生に解説します。また、テキストに紹介されているYouTubeの映像を見せたりします。しかし、何と言っても実際の手本を示した方がよいでしょう。そこで、私自身が「いっしょ読み」の見本として、学生の前で演じて見せようと思います。取り上げる絵本は次のものです。
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51Sb%2Bag3C2L._SY358_BO1,204,203,200_.jpg
今日は、この『きょだいな きょだいな』を使って、どんな「いっしょ読み」をしようかとあれこれと考えました。このことを考えるのは楽しいですね。学生にも、この楽しみを味わって欲しいなと思います。
ところで、この「いっしょ読み」の実演って、もしかしたら「日本初」じゃないでしょうか。「いっしょ読み(Shared Reading)」に関する日本語の文献は、自分で調べた限りではあまり見当たりません。ましてや教育現場で、実際に演じられるのは今までにないのでは、と思います。だとしたら、私が演じるものが日本初になるかもしれません(ちょっと期待しすぎ?)。もし、「すでに実演されているよ」ということをご存知の方がおられたら、教えてください。潔く「教室での日本初の実演」を返上します。(^_^)
さて、明日の実演がどうなることやら。楽しみですが、実はちょっと不安です。なぜなら、私も実演を経験したことがないのですから。私自身も「いっしょ読み」についてはテキストの説明とYouTubeの映像のみしか知りません。私の理解で正しいのかどうかも分かりません。しかし、何はともあれ挑戦してやろう! と思います。
2018/5/28
一昨日、吉田新一郎さんが訳された本で、また魅力的な本が出版されました。
https://4.bp.blogspot.com/-R-dSCp8sjWc/WwfGQVI6VYI/AAAAAAAAB7k/GnN9oy_Noyw7Cdk-xRGcCoeK9ACeiZ69gCLcBGAs/s1600/%25E6%259C%2580%25E9%25AB%2598%25E3%2581%25AE%25E6%258E%2588%25E6%25A5%25AD.jpg
『The Best Class You Never Taught』の全訳です。吉田さんが訳された本の中では、企画から翻訳、出版ととても短期間に進んだ本だそうです。それも、それだけ価値ある本だと判断したようです。
私は自分の授業でライティング・ワークショップやリーディング・ワークショップを実践しています。しかし、短大の授業という制約上、大変多くの学生を相手にしなければなりません。ライティング・ワークショップの授業では1コマが45分で70名弱、リーディング・ワークショップの授業では90分で130名が受講者です。これらに対してカンファランスを綿密に行うのはほぼ不可能です。昨年は、4〜5回の授業をかけて、ようやく134名とのカンファランスを終えました。 この難しい条件下での学生同士の話し合い活動の改善について、この本は教えてくれそうです。
なお、この本を割引で入手できる方法があります。ぜひ、下記のWW/RW便りに記載されている方法で入手されることをお勧めします。私も、本がくるのを楽しみにしています。