20181103近野賢一(バリトン)&栄長敬子(ピアノ)歌曲リサイタル~シューベルト作曲:歌曲集『冬の旅』全曲~
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文化の日の今日、本学の同僚である栄長敬子先生のご紹介で上記のリサイタルに行った。こんな生演奏を聴くのは本当に久しぶりだ。実は残してしまった仕事があり、それを少しでも進めるために大学に行った。そのついでと言っては失礼だが、幸い会場は本学の青陵ホールだし、というわけで思い切って聴きに行った。天気も良く、文化の日に相応しい内容だったなぁ。 プログラムは上記の通り。シューベルトは私の好きな作曲家の一人である。とはいえ、今まで聴いていたのは器楽曲の方であった。シューベルトといえば歌曲王と言われるくらい、歌曲の方が彼の真骨頂なのだろう。しかし、私は歌曲というのは苦手にしているのだ。私の音楽の好みはかなり偏っていて、バロック音楽が中心であり、しかもJ.S.バッハを中心にしている。中でも器楽曲が好きで、人の声はあまり好きではなかった。だが、バッハの真骨頂は宗教曲にあるという話を聞いて、ようやく宗教曲は抵抗感なく聴けるようになった。今回はシューベルト、そして「冬の旅」全曲。私にしてはハードルが高い選曲だ。しかし、せっかくの機会だし、挑戦してみる気で聴きに行った。 終わってみて、いやぁよかった、の一言である。バリトンの近野賢一氏の表現力の素晴らしさ、それが目の前で繰り広げられる。迫力があった。そして、「冬の歌」自体の素晴らしさ。恋人に捨てられ、悲しみの旅を一人彷徨うという筋立ての歌曲集は、シューベルト自身の人生の最期をも考えさせるもので、いろいろと思うことができた。そして、伴奏の栄長先生のピアノももちろん素晴らしかった。やはり生演奏はいいなぁ。改めてそう思ったし、歌曲も捨てたものではないと思わせられた。 それにしてもたくさん観客が来ていたね。100名くらいはいたのではないだろうか。本学の青陵ホールが狭く思えたほどだ。早く5号館との正式な通路が開き、そこに作られる予定のカフェができると、こうした観客にはより魅力的なものになるのだがなぁ。