TailscaleでXREAL Beamにお手軽ファイル転送
はじめに
2023年11月10日にXREAL Beamのバージョン1.4.1でアプリ対応の大型アップデートが実施されました。このアップデートにより、Androidのアプリ(apkファイル)や音楽やドキュメントなどのファイルもXREAL Beamに転送することができるようになり、以前と比べてXREAL Beamで遊べる自由度が格段?にあがりました。
とはいえ、アプリがバックグラウンドで動かなかったり、DRM制限によりNetflixやAmazon Prime Videoの画質がSDなどの制限はたくさんあります。
今回の大型アップデートの詳細は、以下を見ると良いかと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=aRqds-GSaOo
v1.4.1
1. MTP転送規格のサポートを追加し、BeamをWindowsシステムのPCに接続してファイルを転送できるようにしました。
2. Beamに転送されたさまざまなファイルを簡単に管理できるファイル管理アプリを追加しました。
3. 画面表示の最適化オプションを追加しました。
↑の1. のMTP転送規格でWindowsに接続してファイルを転送できるようになったと記載がありますが、macOSでも同様にMTP転送規格でファイルを転送できます。
Windows PCを持っていないので、ここではMacを前提に記載しますが、Mac経由でXREAL Beamにファイルを転送する場合には、通常では以下の手順が必要になります。
Macのファイル転送手順
1. XREAL Beamと MacをUSB-Cで接続する。
すでにアプリがセットアップ済みの場合は、1.で接続したタイミングでアプリが自動起動します。
3. 2のアプリ経由でファイルを転送します。
XREALの公式で推奨されているファイル転送方法は上記のMTP転送規格を使った方法なのですが、XREAL Beamを有線ケーブルでMacに接続し、Android File Transferを使ってファイルを転送するプロセスは結構手間であり非常に面倒です。
XREAL BeamにXREAL Airを接続したまま、Macに有線接続するとミラーリングモードになるので、XREAL AirをXREAL Beamから外した上で有線接続する必要があります。
有線ケーブルを使わない方法として、Google Driveといったクラウドストレージ経由でファイルをダウンロードする方法も思いつきますが、ここでは XREAL Beamに直接ファイルを転送できるTailscaleを使った方法について紹介します。
Tailscaleを使ったファイル転送の概要
外出先のスマホなどから自宅のNASにアクセスするようなことができます。個人用途であればFreeプランで十分に活用することができます。 https://scrapbox.io/files/6559a2eaf14628001c8d6938.png
Tailscaleには、同じVPNに接続している端末同士でファイルを転送できるTaildrop という機能が提供されています。 Taildropは現在アルファ版の機能です
このTaildropを使って、スマホ(iPhone、iPad、Android)やPC(macOS、Windows、Linux)などの各端末からXREAL Beamにファイルを転送できます。
iPhone → iPad、Windows → iPhoneなどのファイル転送もできます。
使い方のイメージとしては、ファイル共有を AirDropを使って実施する感じです。ただし、Bluetoothではなく、Wi-Fi(VPN)を経由した接続になります。 Tailscaleのセットアップ方法
ファイル転送のざっくりとしたセットアップ手順は以下になります。
セットアップ手順
Tailscaleにサインアップする。
XREAL BeamにTailscaleのアプリ(apkファイル)をセットアップする。
ファイル転送元の端末にTailscaleのアプリをセットアップする。
XREAL BeamのTailscaleのアプリを起動し、アクティブ状態にする。
ファイル転送元のTailscaleのアプリを起動し、アクティブ状態にする。
ファイル転送元の端末でファイルを選択(複数選択可)し、共有からXREAL Beamの端末を選択する。
XREAL Beamのダウンロードフォルダに受信したファイルが保存されます。
Tailscaleにサインアップ
Tailscaleのアカウントを持っていない場合は、以下の公式サイトでTailscaleでアカウントを作成します。
XREAL BeamにTailscaleのアプリをインストール
Tailscaleのapkファイルをダウンロードします。
どこからapkファイルをダウンロードすべきかは自己責任で判断してください。
XRAEL Beam上でapkファイルを直接ダウンロードしてもいいですし、MTPファイル転送規格を使った接続でXREAL Beamにファイル転送してもよいかと思います。
apkファイルをダウンロード(or ファイル転送)すると、XREAL Beamのダウンロードフォルダに保存されているので、今回のアップデートで導入されたファイル管理アプリでダウンロードフォルダを開きインストールしてください。
XREAL BeamのTailscaleのアプリでステータスをアクティブに変更
XREAL Beamの画面をスクショできないので、文章のみの説明になります。
Tailscaleのアプリを起動すると、最初にログイン画面が表示されます。
アカウントは既に作成済みのため、作成したアカウント情報でログインを行います。
ログインを行う際に、Googleでログインするボタンとその他のログイン方法でログインするボタンの2つが表示されるかと思います。ただし、Googleでログインするボタンを押下しても、ブラウザが起動しません(起動しませんでした)。今回はその他のログイン方法のボタンを押下することでTailscaleアプリ内のWebViewのブラウザが起動し、Googleのアカウントでログインできました。
↑でログインが成功すると、端末一覧が出てくると思います。新規でアカウントを作成した直後の場合、XREAL Beamの端末情報だけが表示されるかと思います。
つぎに、左上にアクティブにするためのスイッチがあるので、アクティブにトグルします。
アクティブにした直後にVPN接続に関するダイアログが表示されます。OKを押下してもダイアログが消えなかった覚えがありますが、消えない場合はなんとか試行錯誤して消してくださいw
本来、VPN接続のステータスのアクティブ状態がTailscaleのアプリを閉じてもバックグラウンドで動作してほしいのですが、XREAL Beamの仕様上のせいかTailscaleのアプリを閉じるとアプリが終了状態になります。そのため、ファイル転送を待機する場合は、Tailscaleのアプリをアクティブ状態のまま起動しておく必要があります。
VPNアプリだけでもバックグランドで動作するように、XREAL Beamをアップデートしてもらいたいですね
Tailscaleの管理画面のコンソール上でも、XREAL BeamのTailscaleのアプリがアクティブ状態(connected)になっているかを確認できます。
https://scrapbox.io/files/6559c741c75b1f001be749d0.png
ファイル転送元の端末にTailscaleのアプリをインストール
Tailscaleのアプリをダウンロードします。
https://scrapbox.io/files/6559c303c6bab9001c668967.png
各端末のOSに応じたアプリをダウンロードし、上記のページに記載の手順でセットアップします。(ここでは手順の記載は省略します。)
ファイル転送元の端末のTailscaleのアプリをアクティブに変更
ここでは、macOSの場合とiOSの場合について説明します。
macOSの場合
https://scrapbox.io/files/6559c48503dfa9001ce58c36.png
基本的には、Tailscaleのアプリをセットアップした場合、Tailscaleのアプリがツールバーに常駐しているかと思います。この時、スイッチのトグルがONになっていればアクティブになっています。Tailscaleの管理画面のコンソール上でも、MacのTailscaleのアプリがアクティブ状態(connected)になっているかを確認できます。
https://scrapbox.io/files/6559c653956b98001c8f31a7.png
iOSの場合
Tailscaleのアプリを起動し、トグルがONになっていればOKです。
https://scrapbox.io/files/6559c91dfbd464001b475250.PNG
Taildropでファイル転送
macOSの場合
macOSでは、ファイル共有を行う際に、Tailscaleの拡張機能の設定が必要になります。
設定画面のプライバシーとセキュリティ > 機能拡張 > 共有をクリックし、Tailscaleにチェックを入れます。
https://scrapbox.io/files/6559cad2787791001c996dd6.png
macOSはmacOS Sonomaを使用しています。その他のバージョンだと設定箇所などが異なるかもしれません。
ファイルを選択し、コンテキストメニューから共有をクリックします。
複数のファイルを選択することも可能です。転送可能なファイル数の上限はわかりません。
https://scrapbox.io/files/6559cd7a11a53d001ce02910.png
共有画面でTailscaleアプリをクリックします。
https://scrapbox.io/files/6559cda4406163001bc1c9db.png
端末一覧が表示されるので、ファイル転送先のXREAL Beamの端末をクリックします。
グリーン色に点灯していない場合は、XREAL BeamのTailscaleアプリがアクティブになっていることを確認してください。
https://scrapbox.io/files/6559cdb33518db001cb6c009.png
XREAL Beamの端末をクリックすると、ファイル転送が開始されます。
転送が完了したら、チェックマークがつきます。
https://scrapbox.io/files/6559cdc4d9c8f5001c7b864a.png
iOSの場合
ここでは、写真アプリを複数選択し、転送した例になります。
写真を選択し、左下の共有ボタンを押下します。
https://scrapbox.io/files/6559d189390d1b001c047e89.PNG
Tailscaleのアプリが共有一覧に表示されない場合は、その他をクリックします。
https://scrapbox.io/files/6559d242f6958c001b84f58c.PNG
その他の共有一覧画面でTailscaleアプリをクリックします。
https://scrapbox.io/files/6559d2b6fea0ed001bbeba88.PNG
端末一覧が表示されるので、ファイル転送先のXREAL Beamの端末をクリックします。
XREAL Beamの端末をクリックすると、ファイル転送が開始されます。
https://scrapbox.io/files/6559d3439b0779001c468a1c.PNG
XREAL Beam上で受信したファイルの確認
ファイルの転送が完了すると、自動的に XREAL Beamのダウンロードフォルダにファイルが保存されます。
XREAL Beamのファイル管理アプリを使ってダウンロードフォルダを開くと、保存されたファイルを表示できます。
おわりに
TailscaleのTaildropを使うことで、有線ケーブルを使わずにXREAL Beamにファイルを転送することができました。
外出先などのPCがない環境でも、スマホとXREAL Beamとインターネット接続環境があればお手軽にファイル共有ができますので、ぜひご活用ください。
あと、今回はTaildropをメインで紹介しましたが、Tailscaleのその他の機能もかなり便利なので、調べて使って欲しいなと思います。