「なぞ」展用デジタルサイネージシステム(NAHK自動番組制御装置、電子キャプション)
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特徴
スケジュールの合間は、CMバンクから上映または上映休止ができる。
スケジュールされた時間になると、自動的にスケジュールされた素材を上映する。
さらにスケジュール素材の再生開始時刻の扱いは2種類あり、「割込(スケジュール通りの時刻に再生開始)」と「先行素材の再生終了待機」から選択可能。
別画面を使って、番組スケジュールに連動した電子キャプションを表示
Webアプリケーションとしてブラウザ上で動作
開発の背景
出品されている動画作品の視聴機会を平等に確保する必要がある。
「なぞ」展では、2022年春に開催された初回から動画作品の取り扱いが始まり、開館時間中は会場内に設置されたデジタルサイネージで上映されています。 「なぞ」展にお越しいただいている来場者の滞在時間はあまり長くないため、出品者ごとの再生時間を平準化して、来場者のみなさまに作品を見てもらう機会(視聴機会)を平等に確保することが望ましいです。
動画作品の出品者と作品数は、回を重ねるごとに増えているため、各動画作品を同じ回数ずつ再生するだけでは、視聴機会を平等に確保するのが難しくなってきました。
そこで、例えば、作者Aの動画が4本、作者Bの動画が2本、作者Cの動画が1本出品されている場合は、「A1→B1→C1→A2→B2→C1→A3→B1→C1→A4→B2→C1→……(以下繰り返し)」のような順番で再生することになりました。このような編成を自動的に運行できる仕組みが必要です。
電子キャプションの需要
動画作品の数が増えてきたため、今流れている動画作品が何であるのか、自分が見たい作品がいつ流れるのか、などを来場者が知るための情報提供を行う仕組みが必要です。
会場内に設置されているモニターにはUSBメモリの動画ファイルをループ再生する機能が備わっていて、以前はその機能を用いて動画作品の上映を行っていました。
今回も同じ機能を用いて上映する場合、元々全部で約30分の搬入素材複数本を切り貼りして、約2時間分の1本の動画ファイルとして用意しておく必要が生じます。大変です。
そこで、NAHK自動番組制御装置を開発することになりました。
自動制御機能
素材を登録して、スケジュール通りに番組が上映されるように制御させることができます。
予定の時間になると上映が始まるスケジュールと、スケジュール番組の合間に上映される番組のバンクのいずれかに素材を登録することができます。スケジュールとバンクに番組が登録されると、当日分のスケジュールが自動的に生成され、そのスケジュール通りに上映が運行します。
電子キャプション
今上映されている素材のタイトルなどの情報や、次に上映される素材の情報を提供します。
Webアプリケーションとしてブラウザ上で動作し、自律分散的な構成も可能。
上映の運行も電子キャプションも、制御はスケジュールとPCの時計に基づいて行われます。システムが起動すると、スケジュールと時刻に合わせて、その時刻に上映されている素材を計算して、本物のテレビのように素材を上映したり、電子キャプションを表示したりします。
スケジュールと時計が合っていれば、上映の運行に用いるPCと電子キャプションに用いるPCが別であっても、協調動作します。
システムのインスタンスを途中終了・再開しても、さもテレビの電源を消してまた点けたかのような振る舞いをします。別のスケジュールに基づいて動作する別のインスタンスに切り替えられるようにすれば、マルチチャンネル編成のような振る舞いを実現することもできます。今後の「なぞ」展では、動画作品のさらなる増加に応じてマルチチャンネル時差編成を運行する可能性もあるので、それを念頭に置いた設計になっています。
2024/11/2:会期開始。最初のバージョンを設置。当初は電子キャプション非搭載。
2024/11/4:電子キャプションを実装。
2024/11/6:システムの堅牢性を高めるために、番組スケジュールのデータ仕様を変更。電子キャプションに次の番組、次の次の番組などを表示可能になる。
2024/11/9:システムの運行が途中で停止して画面がフリーズするバグを修正。開館時刻である正午から無停止自動運行中。