AWS, GCP, Azureの比較(ストレージ) by Nukumizu
✅ブロックストレージ
いずれのサービスもデータのレプリケーションを自動で行う。AWSやAzureはゾーン内でのレプリエーションである一方で、GCPではゾーンをまたがったレプリケーションを行うことができる。
✅ファイルストレージ
AWSとGCPではNFS、AzureではSMBがプロトコルとして利用可能です。AzureにはAzure File Syncという機能があり、オンプレミスを含む外部のファイルサーバーをAzure Filesと同期することができます。これにより複数拠点で同一のファイルを扱うことができるようになり、ファイルが破損したときの対策としても利用することが可能です。
✅オブジェクトストレージ
AWSやGCPではデータへのアクセス頻度に応じて価格体系が設定されているのに対して、Azureでは格納するオブジェクトの種類や用途毎にブロックBLOB、追加BLOB、ページBLOB等と細分化されており、より複雑な課金体系となっています。AWSのS3は99.999999999%の耐久性を実現するように設計されており、ストレージの中でも屈指の耐久性を誇っています。
✅大容量データ移行サービス
既存環境から非常に大きなデータを移行する際に、ネットワーク経由で転送すると時間が膨大にかかる場合があります。その場合に検討すべきなのが物理的なデバイスをクラウド環境に持ち込む事ができるデータ転送のサービスです。それぞれ最大容量に違いがあり、Azure Data Box HeavyやGCPのTransfer Applianceではデバイスごとに最大1 PB(ペタバイト)の転送が可能であるのに対し、AWSの Snowmobileではセミトレーラートラックを利用し、最大100 PBまで転送することが可能です。
【まとめ】
AWSはGCP, Azureと比較してオブジェクトストレージや大容量データ移行サービスの観点で耐久性が高く、かつ大容量のデータを保存できる。
しかし、ファイルストレージではファイル破損の対策に強いAzure、ブロックストレージではゾーンをまたがったレプリケーションを行えるGCPに軍配が上がる。
レプリケーション(replication)
あるコンピュータやソフトウェアの管理するデータ集合の複製を別のコンピュータ上に作成し、通信ネットワークを介してリアルタイムに更新を反映させて常に内容を同期すること。
システムの耐障害性や可用性を一段と高められる。
BLOB(Binary Large Object)
データベースのフィールド定義などで利用されているデータ型の一つ。テキストや整数のように既存のデータ型としては用意されていない任意のバイナリデータを格納するためのもの。
データベース管理システムが用意している通常のデータ型のフィールドに格納できない、画像や音声などの様々なバイナリデータ(2進数のデータ)をレコード中に直接格納できる。