朽ちる木
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倒木、あるいは落枝は、森の地面に触れ、小さな生き物や菌が入り、樹皮や木部が分解され土に戻り始めます。人の手が適度に入るよう、研究管理された山中湖のアカエゾマツ植林地の地面は苔で覆われ、自然林や二次林とは異なる環境にあるので、この半分土に帰りつつある樹木の髄と枝が露出された状態のものは、全て人の関与がない状態による営み、とも言い切れません。人が営む手の技術と技量、施し、また施す理由から少し離れた風貌と感触を持っているもの、従って、人が容易に考えをめぐらせる思考傾向から外れた囁きをもたらすのだと思います。
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その樹木が生きた過程を垣間見る、そのようなプロセスを樹木から掘り探した彫刻家のGiuseppe Penone/ジュゼッペ・ペノーネの「作品のようなもの」が地面に落ちていたので、時間をかけて考えるため、朽ちるのが遅れる環境に移動することにしました。
人が作れないもの、人が作らないもの、その過程を人が少し止めることでメディア化したものを介し、作れないし作らないものの存在について対話できますと幸いです。
Rereading Tokyo / 東京を再読する