歴舟川 / per-pu-nei
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memu earth lab のある十勝平野は、西を日高山脈に、北を石狩山地の十勝・大雪・然別などの火山群に、東を十勝・釧路国境の白糠丘陵に限られ、南は豊頃丘陵(ホロカヤント / horka-yan-to)をへだて太平洋に面している。南北100 km、東西45 km、広さ3,600 ㎢に達する本邦における第一級の平野である。日高山脈の造山活動、氷河による扇状地、河岸段丘、その後の十勝平野と日高山脈を源流とする歴舟川 / per-pu-neiの出来方はかなり地質学的にもまれな河川。メム周辺で採取される砂礫が均質(丸い)のは川の水が作り出したものではなく広範囲で平野全体に氷河が作り出したようです。その視点からも歴舟川河口は貯水ダムがなく、砂防ダムも少なく注目するべき場所と言えます。 ref: 十勝平野(1978年) (地団研専報〈第22号〉要:校正、執筆中
以下、カヌーから見た歴舟川を情報源としてアーカイブのためコピーペースト
この貴重な清流には、次のような特性があります。
この特性が歴舟川のカヌーツーリングを楽しめる要因になっています。
増水時と渇水時の水量の増減差が大きい。
上流から河口まで水量差がない。
上流から下流まで同じ傾斜が続いている。
岩盤の上の砂利の層を流れている。
源流から河口まで貯水ダムや堰堤がない。
流域全体が大樹町に属している。
1.増水時と渇水時の水量の増減差が大きい。
1年間で本当に水量が安定しているのは冬だけで、春の長雨、夏~秋の大雨によって異様な
ほどの増水になることがよくあります。
その一方、渇水期になると水が川底の砂利の層を流れるため部分的に水の無い状態になります。
増水時も渇水時もカヌーツーリングにはアウトです。
適水時は、水しぶきを浴びながら波乗りやジェットコースターの楽しみが味わえるのですが、
増水時には3級超の瀬が現れ、危険な状態になります。
逆に渇水時には、同じ所が狭い早瀬に変わり、フネを降りて歩くことになります。
渇水時にフネを出した時は、ほとんどフネを降りて引き歩くことになりました。
2.上流から河口まで水量差がない。
普通、川は上流部は水が少なく、下流に行くにしたがって水量が増えてくる傾向があります。
歴舟川の場合、上流の水が少なければそのまま下流の方も水が少ない状態になっています。
そのため、どこか一箇所の水量を見れば、ほぼ流域全体の状態が予測できます。
3.上流から下流まで同じ傾斜が続いている。
通常、山間部から扇状地まで勢いよく水が流れ、その先の平野部をとろとろ流れながら河口に達するのが平均的川の流れ方です。
歴舟川の流域は、山間部から太平洋まで一気に水が流れ込むような地形になっています。
このため上流部はもちろん、下流の歴舟橋あたりまで瀬(ホワイトウォーター)を楽しめます。
また、歴舟川の流れは上流から下流まで、落ち込み・瀬そのすぐあとの瀞場が何回となく繰り返されます。
そのため、沈(転覆)するようなことがあっても、瀞場にたどり着くので安心して楽しく沈することができます
4.岩盤の上の砂利の層を流れている。
歴舟川は、岩盤の上に砂利が載っているところを水が流れているため、増水のたびに大量の石
が岩盤の上を転がるように移動しています。
そのため川筋がまったく変わってしまうことがよくあります。
特に橋脚の前後は大雨の後よく変わります。
また、中流から河口にかけて分流、合流を繰り返しながら流れています。
分岐点で、左右どっちの流れの先に水があるのかを読みとりながら下る楽しみがあります
5.源流から河口まで貯水ダムや堰堤がない。
歴舟川とその支流には、貯水ダムが一切ありません(上流に砂防ダムはありますが)。
動植物にとってダムや堰堤がない場合の貴重さはなにものにも代え難いと思います。
清流に遡る鮭の観察ができる宝庫でもあります。
6.流域全体が「大樹町」に属している。
源流、支流から河口まですべてが大樹町というひとつの行政区にそっくり包含されています。
こうした川の例は、日本では数少ないのではないかと思います。
単一の行政区を流れていることから、町の住民がこの川を誇りにしているとともに大事にして
いるため、美しい自然の状態で保全されているのではないかと感謝します。