槌(づち)と楔(くさび)で建材を造ることを再読する試み
https://vimeo.com/755907846
室町時代に大鋸が導入されるまでは、楔と槌(石鎚、木槌、鉄鎚)を用いて「木を割る」ことで材を製材することが一般的でした。 木割りを行うと、丸太は木の髄、枝の生え方とねじれに沿って分割されていきます。
割ることで初めて(複雑)平面が現れます。室町以降、設計行為により書かれた直線や平面に即した材を丸太から取り出すようになりました。
正確な平面を取り出すこと、木材の芯(髄)の通り方や節に左右されない直線的平面を材に転写し、「挽く」技術による木材利用が一般化しました。
角材においては基本的に今もこの方向性は変わっていません。同時に、後に生じる歪みやねじれに対応する技術も開発されますが、多くのエネルギー消費を伴うことも稀ではありません。
木の個性、特性を活かした木材利用の可能性を再読することで、これまでの市場に存在しずらかった木々の可能性、均質ではなく、再現性のない価値の可能性を検討しています。
木割りによって現れた木の複雑平面から設計することと、頭の中で設計した直線を木から切り出す行為の比較に今後取り組んでいきます。
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