読書
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『ベルクソンの哲学』第一章を読んでいて、無や無秩序が存在する余地がないという議論において、「代置」という議論がなされる。これは総体的な無は成立しないという議論である。無が成立するようにみえるところでは、〈期待していたものの無〉があるだけである。rienはない。私はこの議論を読むといつも「荒」という字を思い出す。この漢字は$ \small{\overset{くさ}{艸}+\overset{ない}{亡}+\overset{かわ}{川}=\overset{あれ}{荒}}という構成であり、草が茫々と生えた荒れ地も、轟々と流れている川も、そこには何もないという意味だろう。どういうことだろうか。私たちにとって「有るもの」というのは、草原の上の家であったり、周囲の畑などだ。あるいは、観光に行ったときに「有る」のは、観光名所や美しい景色、移動手段となる公共交通機関や飲み物や間食を提供してくれるコンビニエンスストア、土産屋などである。旅行先を歩くうちに、すこしはずれの住宅街に入ってしまうと、「ここらへんには何もない」と感じ、退屈になることがある。しかし、この「何もない」を厳密に受け取るとおかしなことになるのは誰でも分かる。
<<ここから妄想の話をつづける。ただあっけっぴろげに草原が広がっている様をみて、農耕民族は「なにもない……」と思うのに対して遊牧民族は「めっちゃある……」と思うのだ……という話を昔聞いたことがある。農耕民族にとって「有る」のは、境界を定められて区画された領域だ。古代ギリシャでは、区画された自分の領分をousia(屋敷、財産)と言ったらしいが、このousiaという言葉は、後にアリストテレスによって、特に存在するものーー「実体」ーーという意味を持たされることになる。しかし、遊牧民族からすれば、むしろ境界を定められたものはもはや「失われた」ものである。いや、略奪対象となるのか?わからない。妄想終了>>
いや、自分がメモしたかったことはこんなことじゃない。
メモしたかったのは、何気なく出てきた「代置」という議論は、理解するのに難しい話なのではないかということ。
私はこの代置の話を何回も読んでいて、かつ自分でも訳したことがある。だから「あの話か」と思いながら読みすすめることができる。しかし、本に書いてある多くのことについて、自分は知らない状態で読んでいる。そして、知らないから目が流れる。知らない話だから、理解できない。理解できないから、理解できないまま読書が進んでいく。
こういうことは無数に起こってるんじゃないのかということ。すなわち、知らない話だからちゃんと読まないということが起こっているのではないかということ。
なぜちゃんと読まないかというと、読んでもわからないから。
しかし、私は代置の話は分かる。自分で例も考えたし、人の例も聞いた。なぜ分かるのか。それは何回も読んだからだ。だが、なぜ自分は読んだのか?そこだってはじめは〈知らない箇所〉だったはずなのに。
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2022/7/29時点で読んでいる本:
松本卓也『人はみな妄想する』 昼休みルーティン
MMM『ひきこもりの手記』
檜垣立哉『ベルクソンの哲学』 散歩ルーティン
そろそろブランダムへの挑戦を再開したい
図書館
本を6冊借りていたが、今日6冊とも返却した。6冊のうち、読了したのは2冊、途中まで読んだのは2冊、残り2冊は読まなかった。たぶん、借りる冊数は3冊くらいがちょうどよい。加藤節さんの『ジョン・ロック』は読んだ感じ良さそうだったので、いつか買ってもいいかもしれない。 読書
『ベルクソンの哲学』を読了。2022/7/31
フロイト『精神分析入門』第6講。2022/8/1
手書きでメモしながら読んでいる。
夢が心的な現象であるということを仮定し、その想定のもとで色々と事例を当たっていく。
今後どういう展開になるか分からないが、この講義のなかではおそらくこの仮定はずっと仮定のままだろう。
自分のなかで本をふたつに分ける。メモしながら読む本と、メモをしないで読む本。後者は、〈メモしたくてもしない〉という意志を持ってメモしないで読む本とする。気を抜くとメモしたくなるので、「しないぞ!」と心を決める必要がある。
2022/8/2から〈メモをしないで読む本〉として『スピノザ 人間の自由の哲学』を読みはじめる。
2022/8/6
『人はみな妄想する』を読む。フロイトの鑑別診断について。
フロイトの『精神分析入門』を読む。夢の解釈について。
過去の読書メモを見返す。『プラグマティズムの歩き方』上巻の読書メモ。
2022/8/7
がっつり読む本が多くなっている
ひきこもりの手記
精神分析入門
『ブランダム 推論主義の哲学』
人はみな妄想する
あっさり読みたい本
『スピノザ 人間の自由の哲学』
精神分析入門について
がっつり(メモとりつつ)読むのをやめて、気軽に楽しむ方向にシフトしてもいいかもしれない。
あるいは、まず精神分析入門に集中的に取り組んで、読了後に別な本を読めばいいかもしれない。
どっちもやってみるか。2022/8/7
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フロイトを読んでおくと、ユングとかラカンを読む素地になるから、まず『精神分析入門』を薦めるのはいいかもしれん。
この本は勉強になるというより読んでて面白い。長いけど(上下で文庫800ページ以上)
哲学書でそういう本って意外とないかも?哲学が広すぎる説。
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『スピノザ 人間の自由の哲学』を134ページまで。諸著作の紹介のところ。
2022/8/7
『精神分析入門』
夢の検閲のところまで来た。200ページくらい
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2022/8/12
第1部を読了。面白い。
ブランダムの、仕事は精緻だがキャラは緩い感じ、なんかいいなあ。緩いというか、まともな印象かもしれない。ちゃんとしてる。 『神学・政治論』についての箇所
『エチカ』についての箇所
最近は強い雨がつづき、本を持ち歩きたくない気持ちが強い。持ち歩くとしても保護しやすい文庫本にしよう
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2022/8/15
『人はみな妄想する』は第二部第二章。初期ラカンの症例エメにおける〈父〉の役割など。この時期はまだ〈父〉は出てきてないけど、エメに超自我が欠けており、有罪判決によって道徳的懲罰が下ることで超自我がエメに訪れて妄想が治癒するというケースには、その後の〈父の名〉が治療に占める役割を示唆するんじゃないかという感じで、ちらっと触れられた。この章は鑑別診断の話はあまり出なかったような印象で終わる。 読書
第4章を読了。
メモ
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『プラグマティズムはどこから来て、どこへ行くのか』
読んでみると以前よりスムーズに読めた。
その上で、よく分からない箇所は多々あるので、そこをどうにかしたい。例えば、「選択的」の意味が分からない、など。
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2022/10/27
最近読書の気力・体力がない。
2022/9/26
『哲学のプラグマティズム的転回』を久々に読む。しばらくサボっていた。
ライカン『言語哲学』を借りる。2022/8/27
結局ぜんぜん読まなかった。2022/9/21