01_食感ジェネレーター
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Style:Prototype
Cliants:none
Date:2023/3-2023/9/17・18
Venue:KMD Forum2023、Online
Collaboration:Ryosuke Wakasugi(Byte Bites inc.)、Eri Nakasuga(慶応Future Crafts)、Kakeru Funai(東大DLX)、Makoto Amano、Kei Ichikawa(IACILS)
嗜好品としての食感をすべての人に提供する
人類は多様で繊細な食文化を長い歴史の中で紡ぎ、またその食体験に欠かせないエッセンスとして食感の追求もなされてきました。情報的体験と身体的体験を重ね合わせるテクノロジーが発達した今こそ、食文化は、そして人類は食感への解像度を高めることで食という概念の新たなステージへ行くことが出来るのではないのでしょうか。
コンピュテーショナル食感デザインプロジェクトではパラメトリックな3Dモデリングツールや言語解析・処理の手法を用いて食感を嗜好品としてのレイヤーへ高めることで『新たな食感の獲得』、『食の可能性を押し広げる』ことを狙います。
嗜好品とは栄養素的機能から開放され、娯楽要素を持つ物です。スナック菓子やスイーツでは「サクサク食感♪」「とろけるような舌触り」など食感に着目したデザインがされています。これらは既存の「楽しい感覚」に近づけることを目指した食感デザインです。
対して、食感ジェネレータは『対話型』『民主型』の食感デザインツールとして、今までパティシエや製菓メーカーなど一部の層だけに限られていた『食感をデザインするという行為』をデジタルファブリケーションやパラメトリックデザインの力で民主化し、誰しもが自由に、創造的に食感を生み出し、楽しむ世界を実現させます。
利用者は食感ジェネレータへ”ポリポリ”などの食感オノマトペだけでなく、”天高く馬肥ゆる秋”など『自由なプロンプトを入力』することで、食べた際の食感が”天高く馬肥ゆる秋”としか表現できないような『新たな食感を生み出す』ことができ、すべてがオンラインのネットワーク上で処理されることによって世界中全ての人類によるボトムアップな食感探求が行われる時代が食感ジェネレータによりもたらされます。
食感ジェネレータの構成要素
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◆言語処理・解析システム
Open AI製APIを利用した言語処理により入力プロンプトを解釈し、「ギザギザ」「ポリポリ」などの食感要素との類似度を言語ベクトルにより評価し、3Dモデル生成のための食感要素パラメータを生成する。
◆パラメトリック食感構造モデリングシステム
パラメトリックCAD(現在はGrasshopperを利用)を用いて、食感要素パラメータをアルゴリズムにより演算し、食感構造を3Dモデルデータとして生成する。 また、本システムでは基底となる食感要素を決まった演算により混ぜ合わせることで全ての食感を生成できる『食感モチ ーフ構想』を提唱し、実装している。
◆データビジュアライズ
Touchdesignerを用いて利用者へ食感要素や入力プロンプトの食感マトリクスの位置をフィードバックするほか、各システムのハブとなっている。
◆3Dフードプリンタ
食べ物を3Dプリントすることができ、常に一定の精度で内部構造を作り込むことが出来るため、印刷した食品の食べた際の口の中での崩壊を制御することができる。
イメージ動画
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ジェネレーターUI
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コンピュテーショナル食感デザインプロジェクトにおける位置付け
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