花粉-食物アレルギー症候群(Pollen-Food Allergy Syndrome-PFAS)
花粉に含まれるタンパク質(アレルゲン)が、ある種の果物や野菜に含まれるタンパク質と類似している場合があります(交差抗原性 P34 参照)。
臨床的交差反応性
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✅花粉(カバノキ、ブタクサ) -> 果実・野菜(リンゴ・モモ・メロン)
✅モモ -> 他のバラ科の果物(リンゴ・プラム・ナシ)
☐️ メロン -> 他の果実(スイカ・バナナ・アボカド)
☐️ 果実(バナナ・アボカド) -> ラテックス
☐️ ラテックス -> 果実(キウイフルーツ)
花粉症のため花粉に含まれるこのタンパク質に対する IgE 抗体を持つ人は、果物・野菜に含まれる類似したタンパク質を新たなアレルゲンとして認識し、摂取した際にアレルギー症状を来す場合があります。これを「花粉ー食物アレルギー症候群(PFAS)」といいます。
主な花粉と食物の交差反応表
Pan-allergen は植物の生存に重要な基本的蛋白であることが多く,進化の過程で多岐にわたる植物に共通して遺伝子が保存されているため,幅広い植物間で交差反応を誘発する。そのため,いったん発症すると次々に多種様々な食物に対するアレルギー症状を起こしてしまうのである。
PFAS予防の本質は他のアレルギー疾患と同じく抗原除去であり,口腔症状を誘発する食物を摂食しないことが原則であるが4,17),PFAS病態はpan-allergenによるものであるため,いったん発症すると次々にアレルギー症状を誘発する食物が増えていき抗原除去も容易ではない。