研究 非発光ディスプレイ
身の回りにある物体を利用して情報を表示する手法のことを「実体ディスプレイ (Physical Display)」あるいは「非発光ディスプレイ (Non-luminous Display)」と呼びます.実体ディスプレイは一般的なディスプレイとは異なり、それ自体が発光するのではなく、外光の反射や形状自体で情報を伝えます。松下ゼミでは、新しい非発光ディスプレイの方式の考案を試みています。
Granular Material Display (Nakanishi:2019)
二種類の粉体を層状に設置し、超音波を照射することによって生じる逆転現象を、情報提示に利用する試みです。
https://www.youtube.com/watch?v=1nr0SR15bKs&feature=youtu.be
Satoshi Nakanishi, Shumpei Akahoshi and Mitsunori Matsushita: Granular Material Display: Information Presentation System using Two Layers of Granular Material and Speakers, Proc. NICOGRAPH International 2019 (NICOINT2019), 2019.07, pp. 86-93, DOI: 10.1109/NICOInt.2019.00025
Fur Display (Horishita:2014)
毛を傾けることで,光の反射を制御し,情報を提示するディスプレイです。製作した学生は、阪急電車の座席に着想を得たとのこと。
https://www.youtube.com/watch?v=jurrF_qqrxI&t=3s
Koharu Horishita, Shuhei Tsutsumi, Saki Sakaguchi and Mitsunori Matsushita: A Nonluminous Display using Fur to Represent Different Shades of Color, Proc. ACM SIGGRAPH 2014 Posters, Article No. 42, DOI: 10.1145/2614217.2614266 (2014)
Wet Display (束川:2013)
疑似アスファルトを用いて、濡れているときと乾いているときの色差を作り出し,ディスプレイに活用する試みです.
https://www.youtube.com/watch?v=VENljMavQM4
束川卓也, 松下光範: Wet Display: 視覚的乾湿感を用いた情報提示システム, 情報処理学会研究報告, Vol. 2013-HCI-154, No. 10, pp. 1-6 (2013). http://id.nii.ac.jp/1001/00094717/
Evapolation Display (Sonoda: 2013)
濡れると黒くなる素材(水習字用紙)を使い、加熱/冷却によりディスプレイとして利用する試みです。
https://www.youtube.com/watch?v=hlT7TmGH3tI&feature=youtu.be
Tomomi Sonoda, Takuma Tanaka and Mitsunori Matsushita: A Nonluminous Display that Controls the Evaporation Velocity, Proc. ACM SIGGRAPH 2013 Posters, Article No. 39, DOI: 10.1145/ 2503385.2503429 (2013)
Hedgehog (菰池: 2011).
シリコン製のチューブの引張圧力を変えることで、実際の硬さと見た目の硬さを連動させ、ハリネズミ(Hedgehog)のような硬軟感を表現するインタフェースを作りました。これをお台場の日本科学未来館に発表している最中に東日本大震災があり、目の前に天井が落ちてきました。
https://www.youtube.com/watch?v=DF90mXl_7q0
菰池裕美, 松下光範: Hedgehog: 硬さの変わるインタフェース, インタラクション2011論文集, 2011.3, 2SCL-9