スポーツ基本計画の要点とそれについての私見(ICT教育活用)
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スポーツ基本計画とはスポーツを通じてすべての人々が幸福で豊かな生活を営むことのできる社会を創出するため、年齢や性別、障害等を問わず、広く人々が、関心、適正等に応じてスポーツに参画することができる環境を整備することを目的とし、以下の7つの課題ごとに政策目標を設定しスポーツの推進に取り組みスポーツ立国の実現を目指す計画のことである。 ① 学校と地域における子どものスポーツ機会を充実する。具体的には幼児期における運動指針をもとにした実践研究を通じた普及啓発。学校において「全国体力・運動能力調査」などデータを活用し検証改善を繰り返しながら科学的に子どもの運動向上に寄与できるような環境作りを実現する。そのために体育専科教員を育成し配置する。子どものスポーツ参加の二極化傾向に対応した、総合型クラブやスポーツ少年団、運動嫌い改善目的のスポーツレクリエーションなどの普及でスポーツ好きの子どもを増やす。 ② 若者のスポーツ参加機会の拡充や高齢者の体力つくり支援等のライフステージに応じたスポーツ活動を推進する。国民のだれもがそれぞれの体力や年齢、技術、興味・目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでも安全に親しむことができる生涯スポーツ社会の実現に向けた環境を整備する。 ③ 住民が主体性を持って地域のスポーツに取り組める環境を整備する。地域のコミュニティの中心となるスポーツクラブやそこでスポーツを指導する指導者を育成し、地域のスポーツ施設環境を整備する。それらのコミュニティと企業や大学との連携も促進していく。①や②の目標と接続できるような開かれたコミュニティを実現する。 ④ 国際競技力の向上に向けた人材の養成やスポーツ環境の整備を通じて国際的競争力のある選手を育成するとともに、優れた技術を持った国内のアスリートをメディアを通じて国民で共有することでスポーツをみる消費者を育成しスポーツ需要を拡大する。ナショナリズムを促進し、国民団結を実現する。
⑤ スポーツを人類の調和のとれた発達に役立てるというオリンピズムの根本原則に基づきオリンピック・パラリンピック等の国際競技大会等の招致・開催を通じた国際交流を推進する。
⑥ ドーピング防止やスポーツ仲裁等の推進によるスポーツ界の透明性、公平・公正性の向上を目指す。これによってスポーツの本質である「競争」を成立させることができる。
ドーピング防止においては競技団体・アスリートにおける研修やジュニア層への教育を徹底する。
⑦ スポーツ界における好循環の創出に向けたトップスポーツと地域におけるスポーツとの連携・協働の推進する。①~③と④、⑤とを有機的に繋ぐため企業や大学への協力も要請していく。
(私見)
ICT技術の導入が教育に普及している昨今において体育教育もこの流れに無縁でないと考える。具体的には①においてデータを活用した各個人に応じた体育指導プログラムの提供を実現するため、各個人のスポーツの接し方に応じて内容がカスタマイズされるデジタル教科書が導入され、教科書にはトレーニングとその効果について科学的に詳細な解説およびその知見を感覚的に運動に取り込むためのアドバイスなどが動画付きで記載されていたり、そのスポーツにおける作戦のシミュレーション動画を簡単に生成できるプログラムおよびその作戦を実行した結果をフィードバックし記録することで次のトレーニングメニューを提案してくれるようなものが想定される。たとえ技術的に劣っている人間でもスポーツを好きでいられるようなプログラムを学校卒業後も提供してくれるような生涯スポーツを意識した教科書にするのが望ましい。システムが①から②~④への接続を自然に促進できるようにバックアップしてくれる時代はすぐそこかもしれない。(1579文字) 参考文献
大阪体育大学体育学部編 『基礎から学ぶ体育・スポーツの科学』大修館書店 2007年
島宗理『使える行動分析学 じぶん実験のすすめ』筑摩書房 2014年
日下裕弘、丸山富雄、加納弘二『生涯スポーツの理論と実際』大修館書店2001年
生涯スポーツ リポート課題 「スポーツ基本計画の要点とそれについての私見」
スポーツ基本計画の要点
⒈ 学校と地域における子どものスポーツ機会の充実
学校体育における体育専科教員を配置するなどより指導技術のある指導者の下での肌理細かい指導環境を整える。安全性の向上を目指して学校と地域の医療機関の専門家との連携を強化する。障害のある児童生徒への効果的な指導の在り方に関する取り組みの深化。学校教育に留まらず総合型クラブやスポーツ少年団などでより運動機会の門戸を広げる。スポーツ嫌いの子供に運動好きになってもらうため野外活動やスポーツレクリエーション活動を行う。
⒉ 若者のスポーツ参加機会の拡充や高齢者の体力つくり支援等のライフステージに応じたスポーツ活動の推進
ライフステージに応じたスポーツ活動を推進するため、国民のだれもがそれぞれの体力や年齢、技術、興味・目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでも安全に親しむことができる生涯スポーツ社会の実現に向けた環境の整備を推進する。
⒊ 住民が主体的に参画する地域のスポーツ環境の整備
住民が主体性を持って地域のスポーツに取り組めるよう地域のコミュニティの中心となるスポーツクラブやそこでスポーツを指導する指導者を育成し、地域のスポーツ施設環境を整備する。それらのコミュニティと企業や大学との連携も促進していく。
⒋ 国際競技力の向上に向けた人材の養成やスポーツ環境の整備
オリンピックやパラリンピックといった国際大会でも通用する実力のもった選手を育成するためにスポーツ環境を整備する。
⒌ オリンピック・パラリンピック等の国際競技大会等の招致・開催を通じた国際交流・貢献の推進
スポーツを人類の調和のとれた発達に役立てるというオリンピズムの根本原則への深い理解に立ってスポーツにおける国際交流を促進できるような機会を増やす。
⒍ ドーピング防止やスポーツ仲裁等の推進によるスポーツ界の透明性、公平・公正性の向上
競技団体・アスリートにおける研修やジュニア層への教育を徹底することでドーピングを防止する。スポーツ団体の運営の透明化を図る。スポーツ紛争仲裁のための基礎環境の整備・定着を図る。スポーツにおけるセクハラ・パワハラ・いじめなどを減らす。
⒎ スポーツ界における好循環の創出に向けたトップスポーツと地域におけるスポーツとの連携・協働の推進
トップアスリートを育成し、育成されたアスリートが将来的に地域の指導者になるといった好循環のサイクルを確立する。
(私見)
三角形の底辺においてスポーツ観戦などの「みる」消費者層、地域におけるスポーツ活動に従事する人々などの「する」消費者層、より頂点に近づくにつれて母体数が減っていくが、体育の教員、より優れたスポーツ選手を育成する指導者、トップアスリートなどは高い技術によってスポーツ界を盛り上げていくコンテンツを提供する生産者と考える事もできる。各個人がスポーツを自分の人生の糧として日常に取り込むことができれば計画項目の①~③、⑥の目標達成につながるだろう。そのためには生涯学習の観点に立ち成長過程ごとに自発的にスポーツとの距離の取り方を考えていく必要がある。私は学校の図書館にスポーツ漫画および小説をもっと置いて、授業でもオススメ図書リストを配るのがよいと考えている。スポーツというジャンルの作品には運動部の部活動を扱ったもの、プロの選手を扱ったものなど実際にありそうなリアル追求の作品の他に日常的にスポーツと接していくというゆるふわ系の作品、現実的ではない超人的な技術の存在する世界におけるスポーツ作品などがあるが、私が学校に置くべきだと思うのはできるだけリアル路線の作品だ。扱われているスポーツの競技者でなくともスポーツにおける挫折や故障、チームプレイの不和などの問題を内省するのに役立つ。(1572文字) 参考文献
中島隆信『子どもをナメるな―賢い消費者をつくる教育(ちくま新書)』筑摩書房2007年
金崎良三『生涯スポーツの理論』不昧堂出版 2000年
日下裕弘、丸山富雄、加納弘二『生涯スポーツの理論と実際』大修館書店2001年
黒田勇『メディアスポーツへの招待』
藤田紀昭『パラリンピックの楽しみ方』小学館2016年
おまけ
こういったスポーツをメインにした作品以外にもこの基本計画を考えるうえで参考になりそうな作品が多数あったが字数の関係で3つだけ紹介する。ライトノベルでアニメ化もされている『電波女と青春男』では地域のコミュニティで野球をする話がある。アニメオリジナル作品『AngeBeats!』では五体不満足の女の子が生前に運動を満足に出来なかったことが悔いになって成仏できない話がある。漫画原作でアニメ化もされている『暗殺教室』では暗殺という体術と学校の勉強を対応させているという点で体を動かすことも学習の一部だということを実感できる作品である。
入間人間『電波女と青春男』電撃文庫 アスキーメディアワークス 2009年
アニメ『電波女と青春男』シャフト 2011年4月-6月 12話
アニメ『Angel Beats!』P.A.WORKS 2010年4月-6月 13話
松井優征『暗殺教室』集英社 2012年
アニメ『暗殺教室』Lerche 2015年1月-6月1期22話
2016年1月-7月2期25話
スポーツ基本計画
文部科学省では、スポーツ基本法の規定に基づき、平成24年3月、「スポーツ基本計画」を策定しました。
「スポーツ基本計画」は、スポーツ基本法の理念を具体化し、今後の我が国のスポーツ施策の具体的な方向性を示すものとして、国、地方公共団体及びスポーツ団体等の関係者が一体となって施策を推進していくための重要な指針として位置付けられるものです。
今般策定した「スポーツ基本計画」は、10年間程度を見通した基本方針を定めるとともに、平成24年度から概ね5年間に総合的かつ計画的に取り組む施策を体系化しています。
追記2018/8/26
ポケモンGO といったAR技術の浸透により、スポーツとの付き合い方も変わってきている。