1912 毛玉の定理 Hairy Ball Theorem
球の上には消えないベクトル場を定義できない、という定理。球面の各点Pでその点での接平面πPを考える。点Pから出発するこの接平面上の矢印を点Pにおける接ベクトルという。いま、球面上の各点でその接ベクトルが連続的に(すなわち、その向きと長さが連続的に変わる)描かれているとする。これを球面上の接ベクトル場という。このとき、球面の接ベクトル場の定理「球面上のどの接ベクトル場にも、その長さが0のベクトルが少なくとも一つ存在する」が成り立つ。この長さ0のベクトルが出発する点を、このベクトル場の特異点という。この定理は、球面を人間の頭とみ、接ベクトル場を髪の毛とみると、特異点はつむじに匹敵するので、「人間の頭には少なくとも一つのつむじがある」ことを述べている。
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