1738 サンクトペテルブルクのパラドックス St. Petersburg Paradox
サンクトペテルブルクに住んでいたダニエル・ベルヌーイが提示した次のような問題。
偏りのないコインを表が出るまで投げ続け、表がでたときに、賞金をもらえるゲームがあるとする。もらえる賞金は1回目に表がでたら1円、1回目は裏で2回目に表がでれば倍の2円、2回目まで裏で3回目が表ならまたその倍の4円というふうに倍々で増える。
このゲームには参加費が必要であるとしたら、参加費の金額が何円までなら払っても損ではないと言えるだろうか。
多くの場合、この種の問題では賞金の期待値を算出して、賭け金がそれ以下であれば良いとする。ところが、この問題で実際に賞金の期待値を計算してみると、その数値は無限大に発散してしまう。したがって、期待値によって判断するならば、賭け金がいくら大金であっても参加すべきであるということになる。
ところが実際には、このゲームでは 1/2 の確率で1円、1/4 の確率で2円、1/1024 の確率で512円の賞金が得られるに過ぎない(賞金が512円以下にとどまる確率が1023/1024)。したがって、そんなに得であるはずがないことは直観的に分かる。ゆえにこれはパラドックスとされる。
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