人を動かす
あらゆる自己啓発書の原点となったデール・カーネギー不朽の名著。人が生きていく上で身につけるべき人間関係の原則を、長年にわたり丹念に集めた実話と、実践で磨き上げた事例を交え説得力豊かに説き起こす。深い人間洞察とヒューマニズムを根底に据え、人に好かれて人の心を突き動かすための行動と自己変革を促す感動の書。
masuyama13.icon この本を読む目的・この本から得たいこと
人を動かすために必要なことを知る
人間関係を良くするためのヒントを得たい
話してよかったと思ってもらえるような人になりたい
自分の話をすることよりも人の話を聞くことが大事だと思いつつ実践できていないので、そういうところのヒントが書かれていることを期待
masuyama13.icon 大事だと思ったこと
人は誰もが「重要感」を渇望している
相手の立場で物事を考える
絶対に非難・批判しない
非難すればすっきりするが、相手の考えが変わることはなく恨まれるだけ
非難はどんな馬鹿者でもできる
人を非難すると必ず自分に返ってくる
相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない
意見は違うからこそ価値がある
人間は理屈ではなく感情の生き物
人から誤りを指摘されると、腹を立てて意地を張る
ソクラテスですら「何も知らない」のに、自分に間違いを指摘する資格があるか? 議論に勝つ最善で唯一の方法は、議論を避けること
相手に全部しゃべらせる
絶対に口をはさまない
こんなふうに切り出す
「実は、そんなふうには考えていなかったのですが − おそらく私の間違いでしょう。私はよく間違います。間違っていましたら改めたいと思いますので、一つ事実をよく考えてみましょう」
自分の誤りは率直に認める
相手が“イエス”と即座に答える問題を選ぶ
どんな人でも自分より何らかの点で優れており、学ぶべきところを備えている
人と話をするときは、その人自身のことを話題にせよ
相手が最も深い関心を持っている問題を話題にする
人は、人から押しつけられた意見よりも、自分で思いついた意見のほうをはるかに大切にする
結論は相手に出させて、自主的な行動を促す
命令しない
相手の顔を立てる
メモ
人を動かす三原則
1. 批判も非難もしない。苦情も言わない。
人を非難するのは必ず我が身に返ってくる
「人を裁くな − 人の裁きを受けるのが嫌なら」リンカーン
非難すればすっきりするが、相手の考えが変わることはなく恨まれるだけ
他人を矯正するより自分を直すほうが得であり危険も少ない
人は感情の動物
人を非難することは誰にでもできる
2. 率直で、誠実な評価を与える。
自ら動きたくなる気持ちを起こさせること
相手のほしがっているものを与える
ほめること・励ますこと
「おのれよりも賢明なる人物を身近に集むる法を心得し者ここに眠る」アンドリュー・カーネギーの墓石
お世辞は偽物
他人の長所を考える
3. 強い欲求を起こさせる。
その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教える
「どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手に起こさせることができるか?」自分に尋ねる
他人の立場を理解し、他人の立場から物事を見る
人に好かれる六原則
1. 誠実な関心を寄せる。
相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せること
人間は他人のことには関心を持たない
「もし、あなたが、今夜死んだとして、何人の人が葬式に参加してくれるか?」
「まずあなたが相手に関心を持たないとすれが、どうして、相手があなたに関心を持つ道理があろうか?」
こちらが心からの関心を示せば、どんなに忙しい人でも注意を払ってくれる
「我々は、地震に関心を寄せてくれる人々に関心を寄せる」
2. 笑顔で接する。
3. 名前を覚える。
人は他人の名前は気にとめないが、自分の名前になると大いに関心を持つ
名前は、当人にとって、最も快い、最も大切な響きを持つ言葉であることを忘れない
4. 聞き手にまわる。
人に嫌われたり、軽蔑されたりしたかったら、次の条項を守る
相手の話を、決して長くは聞かない
終始自分のことだけをしゃべる
相手が話している間に、何か意見があれば、すぐに相手の話をさえぎる
相手はこちらよりも頭の回転が鈍い。そんな人間の下らないおしゃべりをいつまでも聞いている必要はない。話の途中で遠慮なく口をはさむ
自分のことだけしか考えない人間は教養がない、身につかない
話し上手になりたければ、聞き上手になること
人は、相手のことより自分のことに百倍興味を持っている
5. 相手の関心を見抜いて話題にする。
人の心をとらえる近道は、相手が最も深い関心を持っている問題を話題にすること
6. 心からほめる。
「常に相手に重要感を持たせること」
重要な人物になりたいという願望は人間の最も根強い欲求
どんな人でも自分より何らかの点で優れており、学ぶべきところを備えている
人と話をするときは、その人自身のことを話題にせよ
人を説得する十二原則
1. 議論を避ける
議論に勝つ最善で唯一の方法は、議論を避けること
「議論に負けても、その人の意見は変わらない」
憎しみは、愛をもってしてはじめて消える
『片々録』
“意見の不一致を歓迎せよ”
“最初に頭をもたげる自己防衛本能に押し流されてはならない”
不快な状況に直面した時、まず現れるのは自分の立場を守ろうとする本能
“腹を立ててはいけない”
“まず相手の言葉に耳を傾けよ”
相手の意見を最後まで聞く
“意見が一致する点を探せ”
“率直であれ”
自分の間違いを率直に認めて謝る
“相手の意見をよく考えてみる約束をし、その約束を実行せよ”
“相手が反対するのは関心があるからで、大いに感謝すべきだ”
相手はあなたの手助けをしたいと願っているのだと考えよ
“早まった行動を避け、双方がじっくり考え直す時間を置け”
2. 相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない。
自分の考えることが55%まで正しい人は、ウォール街で1日に100万ドル儲けることができる
間違いを指摘する資格があるか?
間違いを指摘しても相手の意見は変わらない
「人に物を教えることはできない。自ら気づく手助けができるだけだ」ガリレオ
「私の知っていることは一つだけだ − 自分が何も知っていないということ」ソクラテス こんなふうに切り出す
「実は、そんなふうには考えていなかったのですが − おそらく私の間違いでしょう。私はよく間違います。間違っていましたら改めたいと思いますので、一つ事実をよく考えてみましょう」
人間は理屈ではなく感情の生き物
人から誤りを指摘されると、腹を立てて意地を張る
3. 自分の誤りを直ちに快く認める。
他人の批判よりの自己批判のほうがよほど気が楽
相手は言うことがなくなり、寛大になる
4. 穏やかに話す。
5. 相手が即座に“イエス”と答える問題を選ぶ
意見が一致している問題からはじめ、それを強調しながら話を進める
同一の目的に向かって努力しているのだということを理解させる
できるだけ“ノー”と言わせないようにする
一旦“ノー”と言うと、身体的にも精神的にも翻すのは困難
議論すれば損をする
相手の立場で物事を考えることは、議論するより興味深く、比較にならぬほどの利益がある
「イエス」と言わせる
“柔よく剛を制す”
6. 相手にしゃべらせる。
相手のことは相手が一番よく知っている
異議をはさみたくなっても我慢する
相手が言いたいことをまだ持っている限り、何を言っても無駄
「敵をつくりたければ、友に勝つがいい。味方をつくりたければ、友に勝たせるがいい」
人間は誰でも、人より優れている場合には重要感を持ち、その逆の場合には劣等感を持って羨望や嫉妬を起こすから
7. 思いつかせる。
人は、人から押しつけられた意見よりも、自分で思いついた意見のほうをはるかに大切にする
人に意見を押しつけるのは間違い
結論は相手に出させる
命令されたり押しつけられたりすることは嫌
自主的な行動を促す
相手の発案だと思わせて協力させる
8. 人の身になる。
相手は間違っているかもしれないが、相手自身は、自分が間違っているとは決して思っていない
賢明な人は、相手を理解しようと努める
メンツをつぶさない
9. 相手の考えや希望に対して同情を寄せる。
「あなたがそう思うのは、もっともです。もし私があなただったら、やはり、そう思うでしょう」
交渉相手の立場で考える
10. 人の美しい心情に呼びかける。
人間は誰でも正直で、義務を果たしたいと思っている
心から信頼され、正直で公正な人物として扱われると、なかなか不正なことはできないもの
11. 演出を考える。
12. 対抗意識を刺激する。
人を変える九原則
1. まずほめる
2. 遠回しに注意を与える。
ほめた後に “しかし” は NG
“そして”を使う
3. まず自分の誤りを話したあと相手に注意する。
自分の失敗談の後に少しだけ注意すると、相手は不愉快な思いをせずにすむ
先に自分の短所と相手の長所を言う
4. 命令をせず、意見を求める。
相手の意見を求める
「こう考えたらどうだろう」
「これでうまくいくだろうか」
決して命令せず、自主的にやらせる
5. 顔を立てる。
相手の顔を立てる
解雇するときですら
たとえ自分が正しく相手が絶対に間違っていても、その顔をつぶしてはいけない
相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪
6. わずかなことでも惜しみなく心からほめる。
お世辞は逆効果
7. 期待をかける。
人はいい評判が立つと、それに沿うように行動する
8. 激励して、能力に自信を持たせる。
相手の能力を信じていると知らせる
9. 喜んで協力させる。
一、誠実であれ。守れない約束はするな。自分の利益は忘れ、相手の利益だけを考えよ。
二、相手に期待する協力は何か、明確に把握せよ。
三、相手の身になれ。相手の真の望みは何か?
四、あなたに協力すれば相手にどんな利益があるか?
五、望みどおりの利益を相手に与えよ。
六、人に物を頼む場合、その頼みが相手の利益にもなると気づくように話せ。