2022-10-08

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入口

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諏訪信仰

仏教が日本に伝来する以前、ここ諏訪

の地には諏訪信仰とよばれる諏訪神社上

社･下社を中心として民間に広まった信仰

がありました。 古代には諏訪湖水の龍神あ

るいは諏訪明神が巨大な蛇体となって姿を

現すなどの伝承が中世に編纂された諏訪

神社最古の縁起書「諏方大明神画詞」に

記されています。

す わ だいみょうじええことば

また、諏訪明神を氏神と仰ぐ諏訪氏が

武士団を形成し、武家社会一般の間に軍

神としての諏訪信仰が成立しました。 武士

の信仰が発展し、 武技としての狩猟が重視

されるようになると “狩猟の神”としての諏訪

信仰が起こります。 これは殺生を罪悪と教

える仏教に対して、 「殺生は獣類を救って

浄土に成仏させるための方便」 であるという

諏訪神人たちの神の託宣 ( 「諏訪の勘文｣)

によって広められ、全国に知られるようにな

りました。 このことは、武士や狩人が行なう

殺生に対する不安を緩めることとなり、また

諏訪信仰は各地を旅した神人が「語り守札」

を発行し、獣肉を食べても穢れないとする

かじきめん

(鹿食免箸) を出して教義を広め、近世

末期まで及んでいくこととなります。

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当館蔵

近代

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海頭の片

古瀬戸軸威子

東照寺跡の中世陶器セット

東照寺跡の集石墓群の上面から、 古瀬

戸の四耳壺・瓶子、 珠洲焼の擂鉢が出土

しました。 また、集石墓の1基の墓境内から、

焼人骨が納められた常滑焼の壺が出土し

ています｡

諏訪地方のみならず長野県内でもこのよ

うな中世陶器のセットが発見されることは大

変珍しいことです。 古瀬戸四耳壷・瓶子、

常滑壺がセットで多数発見されているのは、

鎌倉であり、なかでも、鎌倉諏訪氏屋敷の

可能性がある鎌倉市御成町の「諏訪東遺

「跡」と東照寺の陶磁器セットはよく似ている

といわれています。 下社神宮司末寺の東

照寺の陶磁器セットは、 諏訪と鎌倉とのつ

ながりの中で理解できるのかもしれません。

なお、展示の古瀬戸四耳壺は古瀬戸

窯成立期に位置づけられるものであり、 類

例が乏しい、 貴重な一品です (財団法人瀬戸市

埋蔵文化財センター1996 『古瀬戸をめぐる中世陶器の世界』)。

鎌倉では古瀬戸成立期の四耳壺はほとん

ど出土していないようであり、どのような背

景でこの四耳壺が東照寺に搬入されたの

か、 今後の研究が待たれます。

古瀬戸x軸四

海の

下諏訪のお寺に運ばれた

中世陶器

。

し

古代の仏花瓶か?

平城京で発見され｢壺 G｣と

た須恵器の長頸壺。 その使わ

魚の煮汁を持ち運んだ容器とす

朝の東北への軍事遠征時の兵

説 古代の仏具の花瓶説などいろ

があります。 殿村 東照寺遺跡の

址から出土したこの「壺G」は何に

ものでしょうか。 中世に寺院が建立さ

所から出土したことからすると、 古代

土地に仏教が根付き、 仏花瓶として

ていた、と考えることもできそうです。

石武道路

時期不明

ト

下社の神宮寺の院坊堂宇配置について

明治維新までの下社秋宮・春宮は、ともに立派な神宮寺 (普通

名詞) と融合した存在でした。 ところが、新政府の「神仏判然令」

をきっかけに、仏教関係施設のすべてが廃絶・解体され、その

跡はほとんど忘れられかけていました。 今回、諏訪神仏プロジェ

クトをきっかけに、仏教関係施設の配置の調査・研究が改めて

行われ、150年ぶりに概ね明らかになったものです。

下社関係の神宮寺には、以下の諸寺院がありました。

1. 海岸孤絶山法性院神宮寺=下社神宮寺(秋宮)

本堂(千手堂)、三重塔、 本坊など立派な伽藍を持ち、 戦国末に

は6院20坊と末寺5カ寺を抱えていた大寺院。下社の神宮寺の

筆頭であるため、本企画展では「下社神宮寺」と呼んでいます。

2. 三精寺(秋宮)

現在の秋宮境内にあり、神前での護摩行などを担当していまし

た。御射山信仰に深くかかわっていたという説があります。

3. 観照寺(春宮

現在の春宮境内に立地。下社本地仏(神様の根本の姿と考えら

れていた仏様)が千手観音であるのに対し、 春宮本地仏として

薬師如来を祀っていました(敬愛社宝光院蔵)。

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17.10

復元手法について

きりゅうしょ

下社神宮寺には、江戸中期 1742年成立の「起立書(由緒書)」が

残されています。その詳細な記述と、 各種古地図、明治時代の

住宅地図などを照らし合わせ、さらに現地踏査を重ねて推定し

ました。(調査・作図: 神仏プロジェクト企画局/スワニミズム)

復元マップの見方

ベージュ色のベース=下諏訪町道路・家屋図

青色のぼかしと文字 = 戦国末に存在した院坊堂宇

※正確な敷地と建物の記録はないため推定

※安土桃山~江戸初期に順次退転・統合

赤色のぼかしと文字=江戸中期に存在した院坊堂宇

※ 「玄奘坊」以外は明治初期の神仏分離時まで存在

※神仏分離時に存在した樹木などの名跡も示しました

□ 赤色の線と文字=位置･大きさがほぼ確定できる建造物

水色の線と面=神仏分離時の河川・水路・池・泉

0 赤丸数字=その院坊堂字にあった仏像等の所蔵・公開寺院

※写真パネルや諏訪市博物館の企画展、 「諏訪神仏一斉公

マップ」など､プロジェクト共通の寺院番号です。

※写真: 三好祐司 (諏訪神仏プロジェクト公式写真家)

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照光寺蔵(版木)下社神宮寺境内図

江戸後期? この白い部分は版木が欠落)

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中山道

諏訪大社下社春宮

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船戸

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訪大社下社秋宮

三護摩堂

⑤平福寺 C?・D?E?

⑨平福寺 F・G?・H?

★春宮本地仏(敬愛社宝光院蔵)

大門通り

常住坊

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宝林坊

弘院

平福寺 B・D?E?

(阿弥陀堂 平福寺 A

八幡社

本覚坊

真乗坊

③ 照光寺 F・G・H

④ 真秀寺(内陸遺構)

⑨仏法紹隆寺F

①惣持院?

訪湖博物館 B・C・D(神山家伝世品)

(方丈)

千手坊

山王台

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1 小寺仙円)

甲州街道

井ノ坊

東川坊

① 光寺 D

定坊

千手堂

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中坊

① 光寺 日

船社

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100m

下社の神宮寺配置図

南光坊

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一旧甲州街道

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日本坊日にあり

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承知川口

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下諏訪町主要遺跡分布図

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湖のほとりで暮した昔の人々

平福寺A 阿花如来坐像(秋宮三精寺阿弥陀堂)

O平福寺F1 日光菩立像(春宮机照寺)

平福寺8 十一面觀音百薩立像(秋宮三精寺)

●平福寺F2 月光白薩立像(春宮机照寺)

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●平福寺C 不動明王及U二童子立像(秋宮三精寺7/春宮視照寺7)

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O平福寺G 十二种音像(春富銀照寺7)

平福寺 不動明王立像(秋宮三精寺?/春宮視照寺?)

平福寺H 大日如来坐像(秋宫三月寺7)

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●平福寺E 不動明王及U二童子立像(秋宮三精寺?/春宫超级寺?)

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普賢菩薩騎象像 諏訪市・佛法紹隆寺

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差菩薩には、釈迦如来の脇侍として文殊菩薩と

一対で表される場合や、法華経を読む修行者を守る

存在として、合掌し象に乗って立ち現れる姿で表さ

れる作例がある。本像は釈迦三尊の脇侍であった可

能性が高いが、現在は単独で伝えられる。

いちぼちで

先に

きんでい

普賢菩薩はヒノキ材による一木割矧造りになり、

玉眼を嵌入する。薄いオレンジ色の下地に金泥を塗

って仕上げるが、衣には文様を胡粉で盛り上げて表

お

こうはい 今

し、截金文様も施している。宝冠や光背、瓔珞や台

座の技師が像を華麗に飾ろが、これらの荘厳具も造

当初のものが伝えられているのは貴重である。

頭髪を装飾的に結い上げ、艶やかな顔立ちをしめ

し、新背気味に坐す。天衣と運衣をまとい、腹前

にの結び紐を表す点、大振りな衣壁の処理にも、

宋〜元時代の仏像にならった鎌倉末期から南北

代の院派仏師の作風が顕著である。

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~南北朝時代

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