自分の「強み」や「能力」を見つけるためには、どうすればいいと思いますか?
質問
自分の「強み」や「能力」を知って、それを活かして他人に貢献することで人は幸せになるらしいです。 また、このような考え方について読書猿さんはどう思われますか?自己啓発っぽくてあんまり好意的に思ってない気がしますが。 解答
自分をこの世界のエキストラかせいぜい端役だと思っている人にも、それら占いはその人の運勢や運命を、ざっくりいえば〈その人だけの物語〉を与えてくれます。 ヴォネガットの言葉に更に「全ての人に強みや才能があります」と加えるべきでしょうか。
ストレングスファインダー診断もまた、それを受けた誰もに「強みや才能」(が自分にもあること)を授けてくれます。何の経験も能力もない人にも、やりたいことが何も無い人にも。
ただし誰にも当てはまるように作られているので、強みや才能を活かす/伸ばすためのアドバイスもまた誰にも当てはまるように一般的です。
例えば「親密性」という強みを持つ人のためのアドバイスは、人間関係に関して誰もが気をつけるべき項目が並びます。 これらアドバイスは、嫌な言い方をすれば、欲張りな私達がこっそり望んでいるような〈抜きん出た強み〉を持つためのものではありません。
一つしかない人生を賭けるのに、誰もが気をつけるべきアドバイスで得られる程度のものでは、少々物足りなくはないでしょうか。