質問
解答
よい文献が見つけられなかったので、痛みの恐怖−回避モデル fear‐avoidance modelを流用して、説明してみます。(図が入るので、次のツイートへつづく)
受け答えなどの社会的場面での失敗によって苦痛を味わった場合、その苦痛体験によって不安が生じなければ、不愉快だが受け入れられるものとして痛みと対峙することができ、苦手なことについても経験を蓄積することが可能となり、最終的な成功につながる。 https://t.co/rnkOtjsL4m しかし失敗による苦痛が、破滅的思考につながると、苦痛に関連した不安から過剰な回避行動を招き、これが不活動や抑うつ、能力の低下など社会生活への適用障害をもたらし、さらなる社会的場面での失敗や、そもそもそうした場面を回避し続けることで、破局的思考や不安を増強してしまう悪循環に陥る。 破滅的思考を招く認知的対処には、次のものがある。願望思考「事態が自然に改善する/再び失敗する場面に遭遇しないことを祈る」、破滅思考「もう駄目だと思う」、依存行動「失敗場面に遭遇しないよう他の者や力に頼る」など。
恐怖−回避モデルによる悪循環から脱却するには、次のことが有用である。
・否定的思考と感情の存在を認知すること
・否定的思考と感情がもたらす問題と構造を理解すること
・否定的思考と感情に対処すること
・回避行動をやめ、対峙的行動を増やすこと
否定的思考と感情への対処:
一般にある思考や感情を意識的に止めようとすることは、余計に注意をそれら思考・感情に集めてしまい、事態を悪化させやすい(手の震えを止めようと筋肉を緊張させると余計に震えるのに似ている)。 デタッチド・マインドフルネスの狙いは雲の比喩で説明される。雲を意識によって動かすことはできない。しかし頭や目を動かさなければやがて、雲は視界から出ていく。 不快な思考や感情も、意識によって動かすことはできない。しかしそれを操作しようとせず、距離をおいて眺めていればやがて、それら思考や感情も消えていく。