偏微分方程式を自分の手で解けるようになりたいです
質問
偏微分方程式を自分の手で解けるようになりたいです.また,偏微分方程式の意味・表す現象をイメージできるようになりたいです.しかし数学の教養が全くなく,どこから勉強をすればいいのかわかりません.最短ルートと王道の2パターンを教えていただけませんか. 自分の数学のレベルは極限も怪しく,積分,微分もわかりません.偏微分方程式がどの基礎から成り立つのかもよくわからないです. また,時間的な制約があるので,できるだけ短い間で理解して解けるようになりたいです. 非常に困っているときに,ふと読書猿さんならどうするかなと思い,送ってみました.よろしくお願いいたします.
解答
偏微分方程式については、脇目も振らずオススメすべき一冊があります。
ファーロウ『偏微分方程式―科学者・技術者のための使い方と解き方』
数学履修者ならとにかくこれの第1章だけでも読んでというところです。
微分積分も怪しいとなると、この本にたどり着くまでの最短コースを考えてみます。
まず高校数学を放棄してた方でも読める、畑村洋太郎『直観でわかる微分積分』を。
次に石村 園子『やさしく学べる微分積分』と『やさしく学べる線形代数』を経て『やさしく学べる微分方程式』(前の2冊を前提にしてます)を。最後の本は2階の常微分方程式まで扱っていますが、これを終えるとなんとかファーロウ『偏微分方程式』を読めると思います(これは何を学べばたどり着けるかの答えにもなっています)。
『やさしく学べる』シリーズは、説明と証明を最小限にして例題の解き方を通じて学ぶスタイルの本なのでサクサク進みますが、理解は不足しがちかもしれません。補完するために『キーポイント微分積分』『キーポイント線形代数』『キーポイント微分方程式』『キーポイント偏微分方程式』が便利です。
王道は、大学教養レベルの数学をちゃんとやってから、ということになりますが、いきなりは大変なので、このレベルへの入門として『ライブ講義 大学1年生のための数学入門』を。かなりナラティブな(語りっぽい)作りの本で、つまづきやすいところを拾っているので、サブテキストにもおすすめです。