仕事で他人に迷惑を掛け続ける人生を辞めたいです。どうすれば他人の役に立てる仕事が出来ますか
質問
読書猿さん、こんにちは。
私は、相手の期待に応えたくても期待に応える能力がないとき、無力感を覚えます。 仕事で何度も同じミスの指摘を受けており、改善できないまま繰り返してしまいます。
様々なところで小さなケアレスミスを頻発させてしまい、自分でもどこに注意を向ければいいのか分かりません。 一つ一つは小さなケアレスミスですが、大きな問題に発展したことも二度や三度ではすみません。会社の信頼を下げるような失敗も犯しています。
職場の人には優しく接してもらえますが、自分勝手ながら、日頃から迷惑をかける罪悪感で、コミュニケーションを取ることが出来なくなってきています。 職場では、失敗を次にしっかり活かしてくれればそれでいいと声を掛けて貰えているのですが、自分では失敗を次に活かす未来が想像できず、これからも失敗を繰り返し、他人に迷惑をかけ続ける未来しか見えません。 今までは仕事を辞め続け、その場から逃げ続けてきました。今の職場では、他人から優しくしてもらい、そのお陰で仕事を続けられています。
今回は仕事を辞めて逃げたくありません。しかし、お世話になっているその人に迷惑を掛けてまで仕事を続けるのが正しいと自分では思えません。
仕事で他人に迷惑を掛け続ける人生を辞めたいです。どうすれば他人の役に立てる仕事が出来ますか。
解答
思い上がらないで下さい。
人間は誰であれ過ちを犯し他人に迷惑をかけています。そのことで誰もが自己嫌悪に陥り無力感に悩み苦しんでいます。だからこそ共に生き、お互いが助け合うのです。 あなたを助けてくれる職場の人たちは今までミスをしなかったと思いますか。それで苦しんだことがないと思いますか。むしろミスをして苦しんだことがあるから、あなたの失敗をフォローしてくれるのではありませんか。
私はあなたのことを知りませんが、職場の人があなたを助ける価値がある人間だと考えているのは分かります。それは、あなたがミスしたことを悔み、ちゃんと苦しむことができる人間であると知っているからです。
あなたはご存じないかもしれませんが、自分のミスを悔み苦しむことは、ひとつの能力です。誰もが持っているものではありませんが、これがないと失敗から学ぶことができません。
今はまだ、職場の人があなたに期待するのは、そこまでです。
何故なら今のあなたは自分に手一杯で、周囲の人もミスをしたり後悔することに思い至る余裕がありません。だから正しい仕事のやり方は〈人間はミスをするものである〉ことを前提に組み立てられる(べき)ことを知りません。
自分だけがヒトの宿痾から逃げ出せるなんて思い上がりをあきらめ、過ちの多いヒトの世界に留まる勇気を取り戻したら、2つのことをして下さい。
1つ目は、自分のミスの記録をとること、ミス日誌をつけることです。自分のミスを思い出すこと、振り返ることは苦しみを伴います。ですが、これはあなたのミスを減らすだけでなく、他人のミスをフォローし、周囲の人を助けられる人間になるための重要な資源です。
たくさんのミスを生み出すあなたは、〈人間はミスをするものである〉という観点から見れば、実は仕事の「生きた教科書」です。そこには、いろんな仕事をやりやすくするためのヒントがたくさんあるのです。今はまだ、自分ですぐに活かすことはできないかもしれませんが、記録するだけでもミスは少しずつ減っていきます。ミスが減り、自分に余裕ができればできるほど、ミスから多くの学びを得るはずです。