どこから情報を集めれば現状の政治について理解し、それを踏まえて選挙に反映できるのでしょうか
質問
今まで政治に関心が無かったのですが、当事者の一人なのだから関心を持つべきだと思い至り、選挙に参加しようと考えています。 ですが関心が無かった故、右も左もわかりません。
情報源としてまずネットを考えましたが、様々な情報が錯綜し、何を基準にしていいかわからず、有益な情報が得られませんでした。また、関心が無かった理由のひとつに、ネットで政治のお話をされているかたは言動や思想が過激な方が多く見受けられ、アンタッチャブルな話題だと思っていたという事もあり、情報源として不安に感じます。
他に情報源といえば図書館ですが、政治の歴史や仕組みならともかく現在進行形の事柄(選挙活動)に関して本があるわけでもなく。 そこで質問なのですが、どこから情報を集めれば現状の政治について理解し、それを踏まえて選挙に反映できるのでしょうか。
解答
まず図書館に書籍(≒古い情報)しかないというのは間違いです。現代の図書館は新旧の情報にアクセスできる場所です。
もっともベースとなる定番の(相対的に古い)情報・知識を持っていないと、新しい情報のどこが新しいのか(そうでもないのか)そして正しいのか否かも判断がつきません。
では判断のベースを作る書籍の紹介から始めましょう。実は近年ちゃんとした政治学者が書いた日本政治の入門書がたくさん出版されています。
さて、選挙に関して最新かつ公式の情報源は選挙公報です。各選挙ごとに選挙管理委員会が発行する、公職選挙の候補者の氏名、経歴、政見などを掲載した文書で、ご覧になったことがあると思います、実際少なくない人が読み、投票先を決める参考にすると言われています。先の書籍で基礎知識を入れておけば、読むだけでなく分析することもできるでしょう。 「あんなもの、選挙が終わればみんな忘れるだろうと、口当たりの良いこと無責任に並べてるだけだ」と思われるかもしれません。然り。しかし文書というのは残ります。残る故に検証可能な訳です。同じ公約を使いまわしているだけか、目新しく耳障りのよいフレーズを散りばめているだけかは、過去の選挙公報と比較すれば一目瞭然です。
図書館には最新のものだけでなく、製本・刊本化された歴代の選挙公報が所蔵されています。またネットで選挙公報が解禁されて以降のものは、選挙公報.com(http://www.senkyok.com )が自治体の発行する選挙公報データを継続的に保存しており、閲覧することができます。 他にもエリアごとの得票率など詳しい選挙に関するデータをまとめた資料が図書館にはあります。
地方選挙や各選挙区での地域的な政治的争点は、地域ごとの様々な課題を反映しています。そして地域のことを調べるには、その地域の図書館はなによりも強い味方です。
自分なりにポイントとなると思った、人物なり政党なり争点なり地域課題なりの、背景や経過から最新情報までを調べるには、図書館からアクセスできる各種データベースが役に立ちます。各社の新聞記事データベースは、こうした段階まで関心が絞り込めていれば、すごぶる役立ちます。キーワードで記事を検索し、時系列順に並べ、書籍から得た知識を武器に批判的に読んでいくことが当面の目標になるでしょうか。 他にも政治/選挙に関して、有用な図書館の使い方があると思います。
社会知/集合知を募りたいと思います。