Business Cycle Accounting
Business Cycle Accountingの重要性について、以下のポイントが挙げられます:
1. マクロ経済変動の要因分析のための単純で効果的な手法を提供しています。多くの複雑なマクロモデルを、時間変動するウェッジを持つプロトタイプ成長モデルに等価変換できることを示しました。
2. 効率性ウェッジ、労働ウェッジ、投資ウェッジ、政府消費ウェッジという4つの主要なウェッジを特定し、これらがマクロ経済変動にどの程度寄与しているかを定量的に評価する方法を提示しました。
3. 大恐慌や1982年の不況など、実際の景気循環エピソードにこの手法を適用し、各ウェッジの相対的重要性を明らかにしました。例えば大恐慌では効率性ウェッジと労働ウェッジが主要な役割を果たしたことを示しました。
4. 投資ウェッジが景気変動に果たす役割は小さいことを示し、投資の摩擦に焦点を当てたモデルは景気循環の説明には適していない可能性を指摘しました。
5. マクロ経済学者に対し、景気変動を説明するモデルを構築する際に、どの種類の摩擦や調整コストに注目すべきかについての指針を提供しました。
6. 複雑なマクロモデルの挙動を、単純化されたプロトタイプモデルのウェッジの動きとして解釈できることを示し、モデル間の比較を容易にしました。
7. データとモデルの整合性を評価するための新しい手法を提供し、マクロ経済学の実証分析に貢献しました。
このように、Business Cycle Accountingは景気循環の要因分析や理論モデルの構築に関する重要な洞察を提供し、マクロ経済学の発展に大きく寄与した手法だと評価できます。
Citations:
1 https://www.nber.org/system/files/working_papers/w22663/w22663.pdf
2 https://core.ac.uk/download/pdf/322976029.pdf
3 https://www.imf.org/external/pubs/ft/wp/2011/wp1188.pdf
4 https://www.boj.or.jp/en/research/wps_rev/wps_2018/data/wp18e12.pdf
5 https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1574004816300131
6 https://www.jstor.org/stable/community.28109974
7 https://www.researchgate.net/publication/241756061_How_well_can_business_cycle_accounting_account_for_business_cycles
8 https://www.nber.org/system/files/working_papers/w10351/revisions/w10351.rev0.pdf
9 https://faculty.wcas.northwestern.edu/lchrist/d16/d1606/sr328_econometrica.pdf
10 https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/english/me37-6.pdf
11 https://sites.nd.edu/esims/files/2023/05/wedges_2017.pdf
12 https://www.ecb.europa.eu/press/conferences/shared/pdf/20220512_IRFMP/Zer_Boudet_Paper.pdf
13 https://citeseerx.ist.psu.edu/document?doi=6f6feea377fb217f870cd3a7802a87be3502184b&repid=rep1&type=pdf
14 https://faculty.insead.edu/fatas/growthbc.pdf
15 https://www.investopedia.com/terms/b/businesscycle.asp
ビジネスサイクル会計(Business Cycle Accounting)におけるウェッジ(wedge)とは、以下のような概念です:
1. 定義:
ウェッジとは、標準的な実物的景気循環モデル(RBCモデル)からの乖離を表す変数のことです。これらは、経済の摩擦や歪みを表現するために導入されます12。
2. 主要なウェッジの種類:
- 効率性ウェッジ(efficiency wedge): 生産性ショックに相当
- 労働ウェッジ(labor wedge): 労働所得税に相当
- 投資ウェッジ(investment wedge): 投資税に相当
- 政府消費ウェッジ(government consumption wedge): 政府支出に相当124
3. 目的:
これらのウェッジを用いて、複雑な経済モデルの挙動を単純化されたプロトタイプモデルで表現し、景気変動の要因を分析することができます2。
4. 方法論:
実際のデータとプロトタイプモデルの均衡条件を用いてウェッジを測定し、それらを再びモデルに投入することで、各ウェッジが産出、労働、投資の変動にどの程度寄与しているかを評価します24。
5. 意義:
この手法により、研究者は景気変動を説明するモデルを構築する際に、どの種類の摩擦や調整コストに注目すべきかについての指針を得ることができます1。
6. 結果の例:
Chari, Kehoe, McGrattan (2007)の研究では、効率性ウェッジと労働ウェッジが景気変動の大部分を説明し、投資ウェッジの役割は比較的小さいことが示されました24。
このように、ウェッジは経済モデルの中で、現実の経済における様々な摩擦や歪みを表現するための重要な概念ツールとして機能しています。
Citations:
1 https://sites.nd.edu/esims/files/2023/05/wedges_2017.pdf
2 https://faculty.wcas.northwestern.edu/lchrist/d16/d1606/sr328_econometrica.pdf
3 https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/11e005.pdf
4 https://www.nber.org/papers/w10351
5 https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/english/09-E-28.pdf
6 https://www.jstor.org/stable/community.28109974
7 https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/11020002.html
8 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1468-0262.2007.00768.x
ビジネスサイクル会計(Business Cycle Accounting)におけるウェッジ(wedge)の具体的な定義は以下の通りです:
1. 効率性ウェッジ (Efficiency wedge):
- 総要素生産性(TFP)に相当
- 生産関数に乗法的に入る項として定義される
- 標準的な実物的景気循環モデルの生産性ショックに対応
2. 労働ウェッジ (Labor wedge):
- 労働所得税に相当
- 家計の労働供給の意思決定を歪める要因として定義される
- 労働の限界代替率と限界生産性の間の乖離を表す
3. 投資ウェッジ (Investment wedge):
- 投資税や金融市場の摩擦に相当
- 家計の消費と投資の意思決定を歪める要因として定義される
- 異時点間の限界代替率と資本の限界生産性の間の乖離を表す
4. 政府消費ウェッジ (Government consumption wedge):
- 政府支出に相当
- 資源制約式に加法的に入る項として定義される
- 政府支出や純輸出などの外生的な需要要因を表す
これらのウェッジは、標準的な実物的景気循環モデルの均衡条件から導出され、実際のデータを用いて測定されます。各ウェッジは、モデルの予測と実際のデータの乖離を表現するものとして解釈されます124。
ウェッジの値を計算し、それらをモデルに再投入することで、各ウェッジが景気変動にどの程度寄与しているかを評価することができます。この手法により、研究者は景気変動を説明するモデルを構築する際に、どの種類の摩擦や調整コストに注目すべきかについての指針を得ることができます12。
Citations:
1 https://sites.nd.edu/esims/files/2023/05/wedges_2017.pdf
2 https://faculty.wcas.northwestern.edu/lchrist/d16/d1606/sr328_econometrica.pdf
3 https://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/11e005.pdf
4 https://en.wikipedia.org/wiki/Business_cycle_accounting
5 https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/english/09-E-28.pdf
6 https://www.jstor.org/stable/community.28109974
7 https://www.nber.org/system/files/working_papers/w22663/w22663.pdf
8 https://citeseerx.ist.psu.edu/document?doi=6f6feea377fb217f870cd3a7802a87be3502184b&repid=rep1&type=pdf