学びや、問題解決を楽しむ感覚を掴んでみたいです
質問
学生時代から割と暗記型の学び方で、その場凌ぎで乗り越えている自覚があり、「学ぶ」ということに対して苦手意識というか、うまく自分のモノに出来ていないと思っています。
今はプログラミングを生業としていますが、「わからない」にぶつかった時、あれやこれやと試行錯誤して、苦しみの末に何とかなる、という繰り返しになり、その中に「楽しい」や「理解できた」という感覚があまりありません。 なので、アルキメデスが叫ぶ「エウレカ」という言葉に強い憧れみたいなものがあります。
自分の無知さにひたすら直面して、自分には向いていないのだと、学ぶことを諦めてしまいそうにもなります。
読書猿さんは、学んでいて楽しいと感じるのはどんな時でしょうか?
直面した問題を、ほんの少しでも楽しめる方法がもしあれば、教えていただきたく思います。
質問
失礼ながら申し上げると「苦しみの末に何とか」なった段階で問題から離脱しては、楽しみも理解も得られないのは当然です。その問題はまだ、あなたのものになっていないからです。
フロイドのチューリング賞受賞講演から引用します。
「私は、複雑なアルゴリズムをデザインしてきた経験から、自分の能力を高めることに役立つひとつのテクニックを発見した。難しい問題を解決したら、同じ問題をもう一度はじめから解いてみるのだ。前回、問題を解決するに至った道筋をできるだけ忠実に再現してみる。そうすることで、同様の問題に取り組む際に共通するルールのようなものを探す。どうすればもっと早く解決ができたのかも、それでわかる。そうして見つけたルールは、時に永遠の価値を持つ」
ちなみに、私が学んでいて喜びを感じるのは、「つながった!」と思うときです。
小さなトピックの内でつながる(そのトピックの内部構造が理解できた)時もあれば、
隔たった分野の間の遠い「つながり」に気づく場合もあります。
そしてこうした「つながり」に気づくのは、何度も同じものを(時間をおいて)触れたり考え直した後のように思います。