レポート課題や定期試験といったものがどうやら私はまるでダメなようなのです
質問
多分覚えてらっしゃらないとは思うんですが、以前「読書猿さんの独学大全のおかげで、模試でいい判定が出た」と喜んでいた者です。
大学に入って一年経ちましたが、私は今苦境に立たされています。なにが苦境かというと、単位です。余裕でフル単取ってやると親に鼻息荒く宣言したのも束の間、一学期は早速ペースを崩し14単位しか取れず。二学期はその埋め合わせに大量の授業を取ったところ、こなしきれずに(おそらく)16か14単位、最悪の場合それも下回りそうという塩梅です。
受験勉強をこなせたからなんでも取り組めると勘違いしていましたが、レポート課題や定期試験といったものがどうやら私はまるでダメなようなのです。
レポートを先送りにして、遊びもせず、かといってレポートに取り組みもせずただ焦れるだけの時間を過ごし、その結果時間と精神的体力だけが奪われるという最悪のパターンに何度も陥りました。
また、レポートを捌けないと様々なことに支障が生じます。その例の一つに人間関係があります。私はもともと対人関係はそこまで苦手ではなく前に出れる方ではあるんですが、サークルやコミュニティに顔を出せないため、人間関係の形成もイマイチうまくいってないという現状です。
他には、レポートに追われるせいで個人的に学びたいことを学ぶ時間を取れないという事態にも陥ります。TOEIC900点取ったるでぇ!!音楽理論とかやったるでぇ!!と周囲に雄々しく宣言したものの、2023年の一年間における勉強時間はおそらくのべ20時間にも満たないでしょう。
こんなこと聞かれても…って話ではありますが、どうすれば2年生からうまくやれるでしょうか…何か、現状をマシにする方法論があれば賜りたいです(快刀乱麻を断つような解決策がないことくらいはわかってます。本当に都合のいいこと言ってます、申し訳ないです)
解答
レポートを捌けないことが元凶なのだから、真っ先に取り組むべきは、レポートを書けるようになることです。
書けば書くほど、マシなものがより短い時間で書けるようになります。
もしも(レポートなど)書く機会を自ら捨ててしまっているのなら改めるべきです。
むしろ(レポート以外にも)書く機会をできるだけ多く作った方がいい。
レポートで苦労するのが分かっているのに、レポート提出時になっていきなり書こうと試みて苦労する(時間もめちゃくちゃかかる)、というのは横着過ぎます。
例えば1科目に15回講義があるとして、講義ノートのほかに、毎回100〜200字のメモをレポート風の文体で書き残すと、1500〜3000字のメモが溜まります。このミニレポートは、書くことのトレーニングであると同時にリソースづくりです。これを続けることで、書くことに慣れると同時に、当該科目のレポートに役立つ論点やヒントが蓄えられます。
(これは苦言ですが、書くのが苦手な人ほど、何もないところから書こうとして苦労します)。
もうひとつ、レポートを書く力を養う方法は、他の人が書いたレポートを読むことです。
他の人が書いたレポートを読むときは、そのレポートを分解して再利用できるように精読します。いわばレポートのリバース・エンジニアリングです。
どの部分が書き手の主張か、その主張をどのように根拠付けているのか、根拠を支えるデータや他の文献からの引用はどのように扱われているのか、どのような構成になっているのか、それぞれのパートはどんな役割をになっているのか等など、読みながら「色分け」するといいでしょう。
他の人が書いたレポートを読む機会はなかなかないかもしれません。代替として、次の書籍を紹介しておきます。
岡本 健 , 松井 広志他(編)『ゆるレポ: 卒論・レポートに役立つ「現代社会」と「メディア・コンテンツ」に関する40の研究』(人文書院)。