パーフェクトな勉強法という聖杯探しに熱心で、勉強法が定着しません
質問
パーフェクトな勉強法という聖杯探しに熱心で、勉強法が定着しません。
どうしたら一つの勉強法を愚直に続けられるのでしょうか。不安や迷いを捨てて勉強したいです。
解答
多くの勉強本は「あなたのやり方は間違っている(非効率的なやり方をしている)」とかまびすしくがなり立てますが、人が勉強できないのは、やり方が間違っているからではありません、ただやらない(やらなくなる)からです。
『独学大全』にも引用しましたが、本居宣長も次のように言っています。
詮ずるに学問は、ただ年月長く倦まず怠らず励み勤ることが肝要にて、学び方は、いかようであっても良く、さほどこだわることではない。どれ程、学び方が良くても怠けてはその成果はおぼつかない。
そして学んでいる以上、不安や迷いはなくなりません。学ぶことは変わることなので、その過程で必ず、学び手は不安定な状態に置かれます。不安や迷いは、その人が学ぶことに向かい合っている証です。
このことが理解できれば、仏教で言う「二の矢を受けず」、
「不安であってはならない」「迷ってはならない」と考えて、余計に不安になったり迷ってしまう二次の害からは抜けられます。
「パーフェクトな勉強法」とは、ジョージ・ポリアのいう「夢のままで終わらねばならぬような偉大な夢」です。私達は常に不完全なやり方でしか学ぶことができない不完全な存在です。だからこそ学ぶのだし、学び続けるのです。
そして《より良い学び方》は、学び続ける者が自身の学びの中で、突き当たった問題や課題を克服することを続けることで、はじめて得られるのだと、申し添えたいと思います。