パイプ煙草が好きで、それが表現された文芸作品を集めてようと書誌を自作しています
質問
パイプ煙草が好きで、それが表現された文芸作品を集めてようと書誌を自作しています。
タバコの表現でそれに絞って書かれた作品を探しています。タバコが印象に残るキャラなども探しています。ですが、演出的に1シーンのみ刑事が紙巻きたばこを吸って黄昏れたり、だべったりするようなものは除外します。短編作品や詩、エッセイ、語りのようなものがあれば最高です。あくまでタバコ中心の語られた文芸表現を収集しているところです。NDLの検索にパイプ煙草(喫煙、タバコ、煙草、パイプ、葉巻、煙管、水タバコと入力してすぐ出るもの、デジタルライブラリにあるものはリストにしてあります。
こういう文学作品を題材から探す場合、また書誌づくり初心者が見落としそうなポイント、漏れてそうなところ、やってなさそうな探し方、見えてなさそうな本の群があれば教えてください。
解答
このテーマだけでなく探しもの一般の話ですが、忘れがちなのは、「自分より前に誰かが探していないか」を探すことです。
直接、煙草の描写を拾って作品を紹介しているものに、例えば次のようなものがあります。
文字の上では愛煙家!煙草の描写が印象的な小説
他には、文学作品からさまざまな表現を集めたサイトも、先達のひとつに数えられます。
「日本語表現インフォ」
タバコの表現・描写・類語
探しものの先達の一部は、その成果を書籍にして残しています。代表的なものは書誌ですが(煙草は比較的メジャーなトピックなので、これをテーマにした専門書誌がいくつか存在します)
宇賀田為吉『煙草文献総覧』(和書之部、漢書之部、洋書之部)
J. E. Brooks編著『Arents文庫世界たばこ文献総覧』
今回の探索はタバコが出てくる文学作品を探すことを思い出すと、あるテーマに関する作品を集めたものとしてアンソロジーが思いつきます。
「煙草」と「アンソロジー」で探してみると、例えば以下のようなものが見つかります。
開高健 編『たばこの本棚』
キノブックス編集部/編の『もうすぐ絶滅するという煙草について』
探しものの先達が残した成果には、複数の書籍を横断検索するためのツール「索引」があります。
煙草の伝来は、鉄砲と相前後してと言われるので近世以降の文献について、次のような索引が使えるかもしれません。
『随筆辞典』
また筑摩書房の『明治文学全集』全99巻の索引巻も、同様の目的で使うことができます。
・『明治文学全集 別巻』
さて、索引以外にも、複数の作品を横断して全文検索できる大リソースがあります。
いくつかの検索サイトがあるので、お使いになった
「喫煙、タバコ、煙草、パイプ、葉巻、煙管、水タバコ」
といったキーワードでの検索が有効です。
欧米では文学作品をソースにした大規模なコーパスが構築されているので、『Phraseology and Style in Subgenres of the Novel』という書籍の中に、以下のような研究を見つけることができました。
Alcohol and Tobacco Consumption in English and French Novels Since the 1950s: A Corpus-Stylistic Analysis.
(1950年代以降の英仏小説におけるアルコールとタバコの消費、コーパス文体分析による)