ネガティブな動機付けしかないので、「学びの動機付けマップ」が書けません
質問
読書猿さんの『独学大全』を拝読して、技法1の「学びの動機付けマップ」が、どうしてもわからなくなってしまいました。とにかくネガティブな動機付けしかないので、マップが書けないのです。 お恥ずかしい話ですが、私は読書猿さんのようなポジティブな動機で、これまで勉強したことがありません。
いつも「自分は人より劣ってるんじゃないか」というコンプレックスを消すために、学んでる気がします。
勉強して楽しいと思うことはほとんどなく、成果が出ても、次行こう…という感じです。止まるのが怖く、ただ、勉強せずにいられないから勉強しているという感じです。こういう人は、どうすれば良いのでしょうか?
解答
顔を上げて下さい。
きっかけが劣等感にせよネガティブな動機づけにせよ、現に学び続けておられるのなら、何を恥じることがあるでしょうか。
わずかでも前に進もうと意志を持って行動することが、どうしてネガティブなものであるでしょうか。
私達は、足りないところがあると思うから学び、今できないことができるようになりたいから学び、今あるよりもましな自分になりたいと願うからこそ学びます。
その意味で、学ぶ者、学ぶことで変わろうとする者は、自分の至らなさ、不十分さ、駄目さを知ること、時には思い知らされることを出発点とします。その記憶は苦く、付属する感情も墨を飲んだようなものになることが多いでしょう。
けれど過去の事実は変えられなくとも、その意味は変えられます。
いつか長い学びの先に、それまで学んだことを糧とし、自分でも良い仕事ができたと思うことができたなら、その起点となった苦い出来事も劣等感も、自分がここまで来れるよう背中を押し、挫けそうになる度に支えてくれた資源のひとつであると、その意味を変えるでしょう。