さまざまな問題や悩み事に適切な本を紹介されているのに驚きます
質問
マシュマロへの回答、いつも楽しみに読ませていただいてます。
さまざまな問題や悩み事に適切なアドバイスをされていることもさることながら、適切な本を紹介されているのに驚きます。
探しもののプロである司書さんの技術を応用されているのでしょうか?
具体的にはそれはどういった技術なのでしょう?
解答
ーロにご説明するのは難しいのですが、ひとつあげるとするなら、探しものの一番のコツは「自分より以前に探している人を探す」ことです。司書の方の探し方を参考にするのも、この中に含まれます。 これを検索して読むだけでも、それそのものの質問がなくても、関連する分野につい、自分では知らなかった/思いつかなかった探しものツールが分かったり、答えに近づくための思考法を学ぶことができます。
もう一歩進むと、私たちの社会には司書以外にもたくさんの専門家がいることに気付きます。彼らは我々の抱える問題や悩み事に応じて、我々を助けてくれる人たちです。 なので問題や悩み事を起点に探しものをするなら「この問題/悩み事にはどんな専門家が存在するのか?」と自問自答します。
専門家が見つかれば、彼らがどんな風に問題を解決するのか、またどんな資料を使うのか/その専門家のためにどんな資料が存在するのか、と考え、探していきます。どんな専門家も記憶だけで仕事をするわけではないように、必要なデータや資料を引き出すための書物やツールを使っているのではないかと考える訳です。これは司書という図書館・探しものの専門家が、レファレンス書やツールを使って問題解決することのアナロジーです。 こうした専門家のための情報源は「ハンドブック」や「必携」「手引」などのタイトルであることが多いことが分かると、最初から問題や悩み事と「ハンドブック」や「必携」をキーワードにして文献を検索できるようになります。 もちろん、こうした専門家が使う資料を運よく手に入れて読むだけでは、専門家にはなれません。そして専門家が使う資料・情報源なので、素人の我々には歯が立たないことも珍しくありません。しかし中には素人が見て、すぐに役に立つ情報や間接的な手がかりが得られることも少なくありません。たとえば専門機関や相談先、様々な支援の制度のリストがそうです。 それら資料をもっとよく理解するために、できることもあります。ここでも同じく、「その専門家ならどうする(した)だろうか?」と考えます。専門家も生まれた時から専門家だった訳ではありません。何らかの教育・トレーニングを受けて専門家になったはずです。
たとえば資格試験があるような専門家であれば、資格試験のためのテキストは、その専門分野の入門書の役目も果たすはずだと考えるのです。 資格試験のためのテキストは、専門家になった段階で使う資料や情報源ほど詳しくありませんが、その分野の専門家なら最低知っているべき知識がまとめられています。つまり我々、非専門家向けの、専門分野の入門になっているわけです。
その分野の専門家の支援が必要な問題を抱えた素人の我々には、有益な情報がコンパクトにまとめられた資料として利用することができます。