くるぶしさんはその分野の古典しかし学説的には否定されているような本についてどのように接してらっしゃいますか?
質問
ショーペンハウアーさんは「読書について」の中で新刊よりも古典を読めとおっしゃってますが、古典の中には今では否定された学説を論じているものも多く、それよりは最新の知見を得たくてどうして新刊ばかり買ってしまいます。くるぶしさんはその分野の古典しかし学説的には否定されているような本についてどのように接してらっしゃいますか? 解答
私はショーペンハウアーの良い読者だったことがなくて、有名な『読書について』も「このおっさん、あほちゃうか」と思ってきたのですが、最新の知見を求めて新しい文献を読むのは大変結構だと思います。 もう少し強い言い方をすると、現在の我々とは異なる状況/文脈で書かれた古典が現在でも役に立つことがあるのは、大半が〈ピレネーの地図@『問題解決大全』〉効果だと思います。 では、古典なんか無駄だから滅びてしまえ、とは思いません。古典の面白さは、最新の知見を得てこそ、分かる気がします。繰り返し、その時代時代の最新の知と格闘してきた痕跡が、古典の読解として積み重なっている。これこそが古典と呼ばれる著作の価値なのだと思います。
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