残と自工程完結
「残」という概念を知ったのは以下の本から。
データモデリングでドメインを駆動する――分散/疎結合な基幹系システムに向けて
「残」というのは言い換えるとタスクとかで、業務の中でしなくてはいけないことです。
飲食店に例えると、
お客様来店
水をださなければいけない
少し待ってから注文をとらなくてはいけない
注文が入ったらそのメニューを作らなければいけない
お客様が食事を終わったら、会計をしなければいけない
会計のあとは、お客様の使用した食器などを片づけなければいけない
などのそれぞれのしなければいけないことの集合です。
上記はお客様中心のタスク面の視点です。
それ以外にも、提供側の視点として、資源・リソース面としての残があります。
提供スタッフのシフトを組まなくてはいけない
材料のストックを管理しなければいけない
調理スタッフにはメニューを調理できるスキルを身につけさせなければいけない
釣銭などの現金などを用意しなくてはいけない
こういった、タスク面、リソース面の残を管理・運用していくのが、仕事というものをある面で抽象化したものになります。
製造業とかでは、これを帳票というものを使って管理していたそうです。
「仕事は帳票で管理する」というのが、製造現場の合言葉らしいです。
帳票がないと、言った、言わないとか、エビデンスが欠如するとか、きちんと要求されている作業を行ったかどうかが分からなくなるからです。
※『データモデリングでドメインを駆動する』を読むと、残というものをもうちょっと深く理解できると思います。
残を言い換えると、「不足の充足」と言うことができると思います。
しなければいけないタスクがされていない状態から、完了した状態に持っていく
用意しなければいけないリソースが足りない状態から、足りている状態に持っていく
で、不足から充足に持っていくのに必要なのが、従業員のスキルとかよく作られたプロセスであるとか、ある業界ごとに必要な資本・設備になると思います。
残という不足が充足されていないとき、スキルの不足やプロセスの混乱があります。
すこし話はそれますが、トヨタの言葉だと、各工程が自分に要求される水準の仕事をして次の工程にタスクを送っていくことを「自工程完結」と読んでいます。
自工程完結がまったくされていないプロセスで生産されるものは、不良品を多く出してしまいます。
生産の最終面でエラーをはじくことはできますが、それだと不良品という無駄が生じます。
自工程完結を徹底すれば、そもそも不良品がでにくくなります。
話を残に戻して、タスクとしての残をきちんと充足させるには、自工程完結をすることができるスタッフなどが必要です。
これができてないときは、できてない箇所に注目して、訓練や採用などが必要になると思います。
その訓練や採用は、うまく満たせていない残を基準にすると、効果的になる気がします。
スループット改善には、ボトルネック解消が一番重要だという制約理論を当てはめることができるからです。
「残」という一見あまり面白くなさそうに見える概念ですが、結構多くのヒントを引き出すことができる非常に重要な概念だと思います。