ジップロック財布術
はじめに
こんにちは。
いきなりですが、料理研究家の平野レミさんのTwitter上でのツイートを紹介したいと思います。
「みんなからバカにされるけど、私の財布はジップロックなの。ふにゃふにゃでどこにでも入るし、小銭はこぼれないし、中身が一目で分かるでしょ。この年になってやっと自分にピッタリのブランドに出会えたわ。やっぱりキッチンにあったのね! http://twitpic.com/2n95zb」 財布としてジップロックを使う、ありそうでなかった発想です。
このツイートには画像が添付されており、ジップロックの中に一万円とカード、そしてカギが入っている様子が写っています。
著者が上記のツイートを初めて読んだのはおそらく2013年頃ですが、大きな感銘を受けました。
そして上記のツイートを読んで真似してみたところ、予想以上に快適でした。
私は、私と同じようにジップロックを財布にすることでかなり快適に感じられる方が世の中に5%くらいはいると考えています。もっと少ないかもしれません。
本書ではそんな一部の人に届くように、ジップロックを財布にするとはどういうことか、そのメリットは何か、デメリットは何か、どうすれば効率的な運用になるかといったことを考えていきたいと思います。
実際のやり方
本書の提案する方法はだれにでも簡単に実行可能です。
財布から中身をすべて取り出し、ジップロックに入れるのです。私の好みはジップロック・フリーザーパックのSのサイズです。
Sは縦127mm x 横177mmです。
私の場合は、紙幣とカードを小銭を分けています。
紙幣だけで一袋、カードだけで一袋、小銭はがま口財布に入れています。
そして、カードは超整理法の時系列整理をしています。(後述)
https://gyazo.com/83996b8afe1cfaaa8439b324166916c8
台所にジップロックのある方は今この場で財布の中身を入れ替えてみてはいかがでしょうか。
ものの数分で終わると思います。
「あれ、これでいいのかも?」と思われる方も結構いるかもしれません。
以下では、もう少し突き詰めてこのやり方について考えてみたいと思います。
追記
2019年3月5日にはてな匿名ダイアリーで知ったのですが、ジップロック・フリーザーパックSより小さいジップロック・イージーパックSSというサイズがあります。
SSは縦82mm x 横165mmです。
紙幣にジャストフィットします。カードを入れるのにも適しています。カードについては箱にも利用法として書かれています。
ちなみに紙幣は縦76mm x 横150mm~160mmです。
普通のスーパーでは取り扱いが少ないようです。私は送料込みで比較的安いヨドバシカメラの通販で311円で買いました。
ジップロック・フリーザーパックと比べて、かなり薄いです。使用可能期間はやや短くなりそうです。
数日試しましたが、薄さとサイズが気になるので、ジップロック・フリーザーパックのSサイズに戻しました。
参考
ジップロックを財布にしてたら上司に怒られれた
このやり方がうまくいく人のタイプ
このやり方が向いているのはどういったタイプの人でしょうか。
著者の独断と偏見により考えてみたいと思います。
①財布には機能性を求める
②財布のブランドを気にしない。財布を選ぶのをめんどくさく思ったことがある
③財布でのカードの管理で困ったことがある。
④生活スタイルはなるべくシンプルにしたいと思っている。
上記の項目が多く当てはまる人には本書の方法がフィットする可能性が高いと思います。
財布に必要な機能とは
さて、財布に必要とされる機能とはいったい何でしょうか
財布に必要な機能要件というものを考えてみたいと思います。
①硬貨が入る
②紙幣が入る
③カードが入る
④レシートが入る
⑤防水なら嬉しい
①の硬貨を入れる、ジップロックなら数百枚入れることができます。しかし紙幣と一緒に入れて運用してみたところ使いにくかったです。筆者は硬貨だけは小銭入れを使用しています。
②の紙幣を入れる、ジップロックなら百枚程度からそれ以上まで紙幣を入れることが可能です。
③のカードを入れる、これも数十枚は大丈夫です。
④のレシートを入れる、たくさん入ります。
⑤の防水ですが、ジップロックはだいたい防水仕様です。防塵仕様でもあります。空気にもあまり触れません。
①の小銭の運用だけには工夫が必要かもしれませんが、その他の要件は十分満たしていると言えるでしょう。
ジップロックを財布にすることのメリット
ジップロックを財布にすることのメリットを考えてみましょう。
まず安価です。一枚当たり数十円程度です。数ヶ月から半年くらいは十分に持つでしょう。ボロボロになってくれば新しいものに交換すればよいです。
軽いです。タニタの計りで測定したところ、5.2gでした。誤差を考慮しても、6g未満でしょう。これより軽い財布はたぶんほとんどないはずです。
透明であるため、中身が確認しやすく、取り出しやすいです。
いろいろな大きさがあるので、好みで選べます。ジップロックや、各社の密閉式ビニールパックは多くの種類が市販されています。
中身だけなので好きなように曲げられます。
通帳やレシートや重要書類などもしっかり入ります。通帳の入る財布というのはあまりないと思いますが、ビニールパックには通帳も入れることが可能です。
千円札が曲がらない。著者はジップロックを財布にする以前、三つ折の財布を使っていました。お釣りが自動ででてくるレジの会計で三つ折になった紙幣で支払いをした時に、レジ係の方がうまく紙幣を入れられないということが何度かありました。その点で迷惑をかけることがなくなり、よかったと思っています。
財布を選ぶということから開放される。財布を新しいものに変えるときに、毎回なかなか決まらずに長時間悩み、購入してからも本当にこれでよかったのかな、と思うことはよくあると思います。ジップロックを財布にすると決定してしまえば、そういった迷いから開放されます。
言い換えると一つの携帯品について、競争から降りるということになります。
上記のメリットがすばらしいと感じられるならば、ジップロックを財布とすることは選択肢として十分にありでしょう。
ジップロックを財布にすることのデメリット
チャック式保存袋ジップロックを財布にすることのデメリットを考えたいと思います。
ズボンのポケットには入れにくい。単独でズボンのポケットに入れるのはやや快適ではないかもしれません。なんらかの別のカバンの中か、大きめのポケットに入れる運用が基本となると思います。
慣れるまでは恥ずかしい。正直、今の世の中ではまだまだ異端的な行動でしょう。著者もジップロックを外に出さずにバッグの中で紙幣を取り出すことが多いです。
千円札をたくさん持つと便利
チャック式保存袋を財布にするとき、中に千円札をたくさん入れておくと便利です。
日本は現金が優位な社会です。カードや電子マネーだけではすべての支払いができないことが多いです。
経済状況にもよるとは思いますが、毎日の多くの出費の機会では、一万円以下の支払いが多いと思います。
支払い時にピッタリの枚数の千円札と小銭で支払いとすると、お釣りで紙幣の受け渡しがなくなります。お釣りは小銭だけとなり、会計がスムーズになります。
近年、レジでの紙幣の受け渡しはどんどんおおげさになっており、個人的にはレジで紙幣のお釣りのやり取りをなるべくしたくないと思っています。
また、千円札をたくさん用意しておけば、お釣りの受け取りでの紙幣の数え間違いのリスクもなくなります。
ジップロック財布術は防犯的には裸の紙幣を他人に見られるという懸念があります。
しかし千円札だけにしておくと、バッグの中から手の感触だけで千円札が取り出せます。
そうすれば、防犯上の問題もだいぶ減るのではないでしょうか。
ここでちょっとした裏技ですが、ゆうちょ銀行のATMでは、たとえば「20」など十以上の数字を入力した後に千円のボタンを押して出金すると、千円札がその枚数分でてきます。
これで簡単に大量の千円札を確保できます。
普通の銀行ATMでも、手数料が発生しない場合だけですが、9千円引き出しを繰り返して千円札を確保できます。
著者は一ヶ月に数回千円札をまとめて引き出し、普段の現金支払いに当てています。
全体的な運用の仕方
筆者の場合は、ふだん一つのジップロックに千円札を10枚〜40枚と、もう一つのジップロックにカード40枚くらいを入れています。
小銭は別にがま口財布に入れています。
小銭もなんとかジップロックで運用できないかとチャレンジしてみましたがうまく行きませんでした。
ジップロック2つとがま口財布は基本的にバッグに入れています。
ジーパンのポケットは、前の右ポケットに裸の交通系ICカードのみ、前の左ポケットに鍵のみが入っています。ジーパンの後ろのポケットは使っていません。
ちなみに2020年3月時点でのバッグはショルダーポーチです。千円札を出す時もカードを出すときもカバンの中で取り出すことが多いです。
超整理法式カード管理法
ジップロックの中にカードをまとめて入れた場合、管理が難しくなると思われる方もいるでしょう。
ジップロックでのカードの管理に参考になる考え方を紹介したいと思います。
野口悠紀雄さんの『超整理法』という本はご存知でしょうか。
90年代に出版された新書で、100万部以上の大ヒットとなりました。
この本の中で、野口氏は画期的な書類整理法を提唱されています。
角二封筒に小さなまとまりごとに書類を収めていき、封筒の表の右側に封筒の名前と日付だけを書きます。
その封筒を棚などに右から左に向かって並べていきます。左から右でも可能です。
なんらかの形で封筒にアクセスした場合、その封筒を一番左(一番端)に持ってきます。
それを繰り返します。
結果、よく使われる封筒は勝手に左側に集まり、あまり使わないファイルは右側に移動していくことになります。
分類ではなく時系列という、人間にとって信頼性の高いキーによって書類が探せるようになるのです。
同じことを財布の中のカードの管理に応用できます。
①ジップロックの向きをどちらかに決める
②ジップロックの中から使うカードを取り出す
③使ったカードは一番端(どちらか決まった側)に戻す
を繰り返します。
それによって、
①よく使うカードが端に寄って来る
②使わないカードは反対側に移動していく
というふうになります。
この運用方法は、目的のカードを探すのに時間が短くすみ、けっこう便利です。
やってみると意外なほど効率的です。
著者はこのやり方によって、カードの出し入れにストレスを全く感じていません。
参考文献
野口悠紀雄 『「超」整理法―情報検索と発想の新システム』 中央公論社 1993
防犯について
ジップロック財布術は、運用するのは快適です。
しかし、防犯的にはもろさがあります。
紙幣が透明の袋に入っているのを、悪意のある他人に見られた場合、狙われる可能性があります。
トートバッグなどにジップロック財布を入れていて、上から紙幣が見えるとかいう状況も危ないと思います。
私は会計のとき、バッグの中で紙幣の出し入れをするようにしています。
防犯に関してはそれぞれの方が十分に気を配ってください。
紛失時の本人証明
現金だけ入っているジップロック財布を紛失して、警察に届けられた場合、本人証明が難しいという面はあるかと思います。
その場合は、ふだんから自分の名刺(または住所氏名電話番号を書いたもの)などを一枚入れておけばいいのではないかと考えます。
カードが入っているジップロック財布の方は、本人証明ができるカードが一枚くらいは入っているのではないでしょうか。
さいごに
ジップロックを財布として使ってみたくなったでしょうか。
ご自宅のキッチンにジップロックがあれば、小銭以外の財布の中身を移動してみましょう。
数日試してみれば自分にとってよい方法かどうかは簡単にわかると思います。
合わなかったら残念ですが、元の財布に戻すといいでしょう。
また、本書の方法を試すときに、窃盗など被害には十分にお気をつけください。今まで財布をポケットに入れていた方が、財布をバッグにいれる運用に変えたりした場合、リスクが高くなるかもしれません。紙幣の入ったジップロックを人前で出すことはリスクがあるかもしれません。もし実際に被害に合われたとしても責任は取れません。防犯には十分お気をつけ下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
読者の皆さんと財布との関係が今よりもよいものになれば幸いです。
まんぷくいちろう