アナタはなぜ塩分計を使わないのか?
はじめに
こんにちは。この文章では、塩分計を使って(ラーメンの)スープを作ることをおすすめしてみたいと思います。
家でラーメンのスープを作ることができれば、例えば以下のコストでラーメンを食べることができます。
麺(スーパーで買う) 100円くらい
鶏ガラやスープボーンなど 一杯当たり50円以下
その他調味料とガス水道費 これも50円以下
肉はオプションですが、素ラーメンですと、1杯200円以下で作ることができます。
私が作るときは、150円以下で作れていると思います。
上記を実現するために必要なのが、塩分計というセンサー器具です。
存在自体はわりと広く知られていると思います。
その名の通り、液体の塩分濃度を測る機器です。
塩分を控える必要がある人が、減塩管理のために使っているのかなくらいのイメージが多いのではないでしょうか。
それ以外の用途で使っている人は珍しいと思います。
この塩分計ですが、液体系の料理における塩分の調整と、それによる料理の再現性を高めるのにとても役立ちます。
普通、日本の方がスープ系の料理を作る場合、一番頻度が高いのは味噌汁でしょう。
作り慣れているので、味の調整はそんなに困ってない人が多そうです。
しかし、それ以外の液体系の料理ではどうでしょうか。
たとえば、あなたはラーメンスープを自作できるでしょうか。
また、味噌汁以外の味付けでスープを作って、ぴったりとおいしい味付けにできるでしょうか。
できない人の方が多いのではと思います。
そもそも前者のラーメンスープは作れると思う範囲に入ってないという人が多そうです。
そのような方でも、実は塩分計があればラーメンスープ作りはかなり簡単にできるのです。
これから、そのことを詳しく解説したいと思います。
塩分計紹介
実際の塩分計にはどんなものがあるかを紹介したいと思います。
国内メーカーでは、タニタやドレテックなどのものがあります。
私はこの2社の塩分計をそれぞれ一個ずつ所有しています。
タニタの塩分計は、以下のような商品です。
高精度デジタル塩分計
SO-304
希望小売価格:11,000円(税抜)
2025年11月下旬時点では、Amazonで6500円くらいで購入できます。
https://www.tanita.co.jp/product/saltchecker/3857/
ドリテックの塩分計は以下のような商品です。
EN-905R
塩分管理計
2025年11月下旬時点では、Amazonで3000円くらいで購入できます。
https://dretec.co.jp/kitchen_goods/salt_meter/en-905/lang-ja
これらの塩分計は、両方とも0%から0.1%刻みで5%まで塩分を測定することができます。
スープを作るときのターゲットになる塩分濃度はだいたい1%なのですが、それ以外の、めんつゆを作ったりするときには3%弱の塩分をターゲットにしたりします。
5%まで計ることのできる塩分計がおすすめです。
また、液体が高温の時でも問題なく測定できることも重要な性能です。
上記の二つのうちでは、タニタの塩分計は高温でも測定値がブレることがほとんどありませんが、ドリテックの製品は液体が高温だとやや高めに出る気がします。
これについてChatGPTに質問したところ、
水が高温の時は、イオンが高速で移動しているため、塩分が高く測定されやすく、
タニタの塩分計は温度も同時に測定することで、その補正を行っていると思われる、
ということでした。
塩分計は、食塩が水の中で電気を通す性質(伝導度)を利用して塩分濃度を推定しています。
高温になると、水中のイオン(ナトリウムイオンや塩素イオン)の動きが活発になり、同じ塩分量でも電気が通りやすくなるため、塩分が多く測定されやすいという特性があります。
高価な塩分計(例:タニタの高精度モデル)は、内部で温度を測り、その温度に応じた補正(ATC:自動温度補正)を行うことで、誤差を抑えている可能性が高いです。
一方、比較的安価なモデル(例:ドリテック)は十分な温度補正が入っていないことがあり、特に温かいスープの測定時にやや高めに出る傾向があります。
上記をまとめると、塩分計に必要なスペックは以下のようになります。
デジタル表示
0%から5.0%くらいまで測れる
液体が高温でも誤差が小さく測れる
などです。
というわけで、上記の二機種のなかでは、タニタがおすすめです。
価格はほぼ倍ですが、料理中に塩分を測定したいとき、その液体はだいたい高温ですので、強い温度測定補正のついているほうが圧倒的に使えます。
ちょっと高いと思う方が多いと推測しますが、一本買えば、壊さなければずっと使えます。
一回の投資的購入を乗り越えれば、あなたの残りの人生のスープ作りはとても豊かになるでしょう。
塩分計のメリット
塩分計があることにより、
味噌汁以外の液体系料理が細かく分量などを測ったりしなくても作れるようになる
ラーメンスープなど、麺類のスープなども作れるようになる
というメリットがあります。
この外食高騰のインフレ時代に、家でラーメンスープを作って、安く美味しいラーメンを食べることができるのは良いと思われないでしょうか。
実際の使い方
たとえば、わたしはこんな感じでラーメンスープを作ります。
スープボーンという、鶏の手羽先の食べられない部分がスーパーなどで安く売っていたりします。
肉としては食べられませんが、出汁を取れます。
スープボーン数本(5本くらい)を一人前として、スープボーンを煮て出汁を取ります。
十数分加熱します。
これで出汁がとれます。
その後に、調味料とうまみ調味料を入れます。
結果としての塩分濃度は1.0%をターゲットにします。
厳密にいうと、好みによって0.9%から1.2%くらいの幅があると思いますが、ここでは便宜的に1.0%としています。
醤油ラーメンの場合は、醤油、塩、みりん、うま味調味料、などです。
味噌ラーメンの場合は、味噌、醤油、みりん、うま味調味料、好みで豆板醤などです。
醤油ラーメンよりも味噌ラーメンの方が最初は作りやすいと思います。
醤油ラーメンの時は通常塩が必要ですが、味噌ラーメンの時は、塩を入れなくても味噌で塩分調整可能です。
ラーメン発見伝というマンガ作品にも描写がありましたが、味噌はうま味的なインパクトが大きいので作りやすいと思います。
こんな感じで、完成です。
例として具体的な調味料を挙げていますが、実際は何を入れてもかまいません。
いかがでしょうか。
思ったよりも簡単そうではないでしょうか。
スープ作りで一番難しいのは、塩分濃度の調整だと私は思います。
スープにおける塩分濃度とは、美味しさの判定理由の半分以上を占めると私は考えます。
スープにおける塩分とは、ケーキにおける糖分くらいの重要度があると考えます。
それを外すと、作ったものはイマイチになりがちです。
スープはしょっぱいのも薄いのも美味しくないのです。
塩分がちょうど良くて、いろんな旨味があれば、大体おいしいのです。
上記のイージーモードとして、鶏ガラスープの素などをそのまま使うのもありと思います。
出汁的な材料と、塩分を増すための材料を組み合わせれば、おいしいスープは作れます。その場合、コストも一緒に下がることでしょう。
そして、ターゲットとなる塩分濃度を塩分計でしっかりコントロールしましょう。
追記
塩分濃度について、上記では0.9%から1.2%という数字を挙げていますが、青森県で実際の店舗の醤油ラーメン、味噌ラーメン、そば・うどんのスープの塩分濃度を調べた結果によると、かなりのバラつきが見られるようです。
https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kenko/ganseikatsu/files/men_kenmin.pdf
https://scrapbox.io/files/69be918ab9e150750aedd16c.png
上記のリンク先PDFより引用しました。
個々のスープ作りのおける塩分濃度に関しては、かなり好みの問題になると思いますが、好みの濃度をターゲットにすることのメリットについては揺るがないと考えます。
さらに塩分計について
自力で自分の舌だけを頼りに塩分濃度をたとえば1.0%にするのはなかなか難しいです。
でも塩分計があれば簡単です。
他の測定に絡めて言うと、あなたは10cmの線を物差しなしに描いてくれと言われて正確に描けるでしょうか。
距離と味覚はもちろん違いますが、日常で何かを単位に基づいて作成するとき、普通は測定器具を頼りにすると思います。
物差しを使えば、10cmの線を描くのは簡単です。小学生でもできます。
料理に関して言えば、レシピで重さに基づいた分量を材料として使用することで、料理の再現性を高めるのは一般化してきました。
しかし、料理の最後の工程で、センサーを使いながら味の調整を行うのはまだまだマイナーです。
スープを作る時に、塩分計で適宜塩分を測りながらスープを作ると、どんな量のスープでも、自由自在に作れます。
スープを作るときに、最初は自分の感覚で塩分を加えてみて、この辺かな?と思ったところで塩分計で測定してみましょう。
最初のうちは薄かったり濃かったりすることが多いと思いますが、それを1%に近づけていくと、スープのおいしさ・飲みやすさが増していくのが感じられます。
なぜスープを作るのに再現性が重要なのか
スープを作るのなんて適当でいいじゃんという考えの方もいると思います。
なぜスープ作りの再現性が重要なのかを考えてみます。
結論を先に言うと、自分だけのためのスープならば適当でもいいが、家族や友人に振る舞ったりするならば、塩分の調節による再現性は重要ということになります。
自分だけのためにラーメンのスープを作る場合、塩分がちょうどいいところから多少ズレても許容範囲かもしれません。
しかし、たとえば友人にラーメンを振る舞う状況があるとして、適当スープ戦略は許容されうるでしょうか。
食べてくれる友人側からすると、結構いやなのではないかと思います。
やはりある程度、だれが食べても美味しい範囲のラーメンを作って提供するのがよいのではないでしょうか。
また、家族に適当に塩分調整したラーメンを作ってしまうと、とてつもなく不評になる可能性も高いと思います。
仮に家族からのリアクションを想像するとして、
「もう作らないでね」
と言われるのと
「美味しかった!また作って!」
と言われるのでは、後者のほうが良くないでしょうか。
前者のような悲しい状況に陥らないためにも、ラーメンスープ作りには塩分計が重要であると私は考えます。
塩分計をテーマにしたレシピ本は現状ほとんどない
私は書店に行ったとき、だいたい料理本のコーナーを見て回ります。
その時に、塩分計を使ってスープを作ることを勧めるような本がほぼないことに気づきます。
国会図書館のオンラインデータベースで、「塩分計 スープ」などの書名の本を探しても、ヒットしません。
おいしさの再現性を確保しながらスープを作るには、塩分計がめちゃくちゃ役に立つのに、それを勧める本がほとんどないのです。
これはすごいことだと思います。すごく残念なことだとも思います。
スープを作ることを解説する本はかなりたくさんあるのに、そのスープの味の決定打となる塩分濃度を計れる器具のことを無視しているのです。
塩分計を活用してスープを作ろうというアイデア自体は、そこまで独創性の高いものだとは思いませんが、なぜだか一般化していないのです。
私はこの残念な状況を変える一助となるために、この文章を書きました。
おわりに
いかがだったでしょうか。
スープ作りに塩分計を使うと、いままで作ったことのなかった種類のスープまで、美味しく作ることができます。
塩分計があれば、あなたのスープ作りは「いつでも美味しさを再現」できるものへと変貌するでしょう。
また、今のとてつもないインフレへの対処の一つのアイデアとしても使えるのではないかと考えます。
昔のラーメンはだいたいどこでも千円以下で食べることができました。
しかし、今はチェーン店以外のラーメン店では、すこし麺の量を増やしたり、トッピングを追加したりすると、すぐに千円を超えてしまいます。
冒頭でもお伝えしたとおり、自分でラーメンを作れば、トッピングを除けば一杯200円以下で済ませることができます。浮いたお金はチャーシューなどの好きなトッピングを追加したり、日々の節約の足しにしてもよいでしょう。
あなたの家の厨房を、塩分計を追加することでアップグレードしてはどうでしょうか。
すごくおすすめですよ!