ミネソタ飢餓実験の英語版wikipediaの記事を翻訳しました
ミネソタ飢餓実験の英語版wikipedia
ミネソタ飢餓実験の日本語版wikipedia
ミネソタ飢餓実験という実験があります。
戦後のアメリカで、第二次世界大戦後のアジアとヨーロッパにおける来るべき飢餓に備えるために人間の飢餓に対する反応を調べた実験です。
36人の白人男性の被験者が集められ、実験は4つの期間にわけられました。12週間の対照期間、24週間の半飢餓期間、12週間の制限されたリハビリ期間、8週間の制限されなリハビリ期間です。
第二ステージの24週間の半飢餓期間において、被験者は最初の対照期間の3200kcalから、半分の1600kcalに摂取カロリーが減らされて厳密に管理されました。
被験者は元の体重の75%まで体重が減りました。
体重の推移のグラフは、最初はよく下がって、だんだん緩やかになって、最終的にはなだらかな台地のようなものに到達するような形になったと言います。
摂取カロリーを一定にしていた場合、減量が進み、最終的には台地に到着すると実験では予測されていましたが、結果もそのとおりだったそうです。
実験後の被験者には摂食障害が起きるなど、大きな副作用がありました。
翻訳した動機ですが、ダイエット言論への貢献です。
最近のダイエット言論のはやりとして、特定の栄養素を増やしたり減らしたりしたら減量がうまくいくというものがあるとおもいます。
そこで無視されているのは、熱力学の法則、エネルギー保存則です。
最近の食習慣に関する実験では、上記のミネソタ飢餓実験のような厳密な管理におけるカロリー制限というはできないことがほとんどだと思います。研究倫理が変化したからです。
厳密な管理を行わずに、食習慣アンケートなどからデータを集め、それに基づいて各種食事スタイルを比較したりしています。
そういう実験をすべて否定する意図はありませんが、せめて過去に行われた厳密なカロリー制限実験であるミネソタ飢餓実験のことを知っていてほしいと思います。
翻訳の改善には一人の友人の力を借りました。名前は出しませんがありがとうございました。
英語版wikipediaのソースとなった資料も手に入れましたので、何か追加できることがあれば追加したいと思います。
wikiに書いていない情報(The biology of human starvation調べ)
半飢餓期の食事は8:30と17:00の二食だった。パンは全粒粉だった。
原著には半飢餓期の食事は"whole-wheat bread, potatos, cereals, and considerable amounts of turnips and cabbage."と書いてある。マカロニとルタバガとは書いてない。英語版wikiが間違っている?
下巻の pp.1212-1215 の半飢餓期の食事内容にマカロニとルタバガという記載がありました。確認不足で申し訳ありません。