O1 proにOP mainnetのtx lifecycleを解説させる
注:すごいあってそうだけど細かく見ると間違っている場所は多いとのこと。
要求:Optimismにおけるトランザクションのライフサイクル(ウォレッとを通じてtxが作られてから)、そのステートなど情報が誰によってどこに移動され、どのタイミングで内容が確定し、どのようにL1に情報が送られるのかのライフサイクルを調べ、シーケンス図で表示してください。
返答:
以下では、**Optimism (OP Mainnet) におけるトランザクションのライフサイクル**を簡潔にまとめ、シーケンス図で可視化します。
ユーザーのウォレットで署名されたトランザクションが L2 に送信されてから、L2 での実行・状態更新を経て、最終的に L1 でブロックデータが確定されるまでの流れを概観します。
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# 1. 主要コンポーネントと役割
1. **User (Wallet) / ユーザウォレット**
- L2 で行う取引(トランザクション)を作成・署名し、Optimism ネットワークへ送信する。
2. **L2 RPC (Provider) / RPCノード**
- ユーザーがアクセスするエンドポイント。ユーザーのウォレットは通常、この RPC ノードを通じてトランザクションをブロードキャストする。
- Optimism では、Sequencer が運営している公式 RPC もあれば、各自が独自に立てたフルノード / RPC ノードを使うこともできる。
3. **Sequencer / シーケンサー**
- Optimism L2 のトランザクションを受け取り、順序を決定し、ブロックを生成する。
- ある程度まとまったら「Batch Submitter」として L1 (Ethereum) にデータを投稿する。
- (実装上は “op-node” + “op-geth” + “batch-submitter” のコンポーネントを一体運用していることが多い)
4. **Execution Client (op-geth) / 実行クライアント**
- L2 EVM (Optimism版) の実行エンジン。
- Sequencer や L2 ノードは、このクライアントにトランザクションの実行を指示し、結果のステート更新を得る。
5. **L1 Chain (Ethereum) / L1チェーン**
- Optimism がロールアップデータ (トランザクションの圧縮データやステートルートなど) を書き込む先。
- ここに投稿されたデータを元に、最終的な検証 (fraud proof など) が可能になる。
- 一定のチャレンジ期間が経過すれば L2 側の状態が確定 (finalize) される。
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# 2. トランザクションのライフサイクル:概要ステップ
1. **ユーザーが L2 でトランザクションを作成・署名**
- ウォレット(Metamask など)で、Optimism ネットワークに接続して署名。
2. **トランザクションの送信 (User → L2 RPC / Sequencer)**
- ユーザーのウォレットは、Optimism 用の RPC エンドポイントへトランザクションを送信。
- 多くの場合、そのまま Sequencer が運営するエンドポイントに直接送られる。
3. **Sequencer による順序付け (Sequencer: pool → block creation)**
- Sequencer は受け取ったトランザクションを取り込み、トランザクションプールに蓄えた後、ブロックにまとめる。
- 生成したブロックはすぐに (もしくは短時間で) L2 ネットワーク内で展開され、L2 の最新状態が更新される。
4. **Execution Client での実行 (Sequencer → op-geth)**
- Sequencer はローカルで op-geth(実行クライアント)を呼び出し、トランザクションを EVM で実行する。
- 実行結果にもとづき、L2 のステート (アカウント残高など) が更新される。
5. **Batch Submitter による L1 への投稿 (Sequencer → L1)**
- 一定数の L2 トランザクションが溜まったり、一定時間が経過すると、Sequencer (実質的に batch-submitter) は L1 (Ethereum) にトランザクションデータをまとめて投稿する。
- これにより、L2 ブロックの “圧縮データ” (CallData) やステートルートなどが L1 のスマートコントラクトに記録される。
6. **チャレンジ期間経過後に最終確定 (Finalization)**
- Optimistic Rollup では、L1 にデータを投稿した後、**チャレンジ期間** (dispute window) が存在し、その間に不正があれば fraud proof (fault proof) が提出される可能性がある。
- チャレンジがなければ、このデータは最終確定となり、L2 での取引内容が実質的に L1 のセキュリティの下で保証される。
- これにより L2 トランザクションは**ファイナリティ**を得る。
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# 3. シーケンス図
以下のシーケンス図では、主に「ユーザー → Sequencer → (op-geth) → L1」という流れを示しています。
(Mermaid 記法で記述しています。閲覧環境によってはテキストとしてご覧ください)
https://scrapbox.io/files/6787ea96eb5d2b20a077ca74.png
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## 4. ステートやデータの移動と確定タイミング
1. **User (Wallet)**
- ここで作成されるのは「L2 で実行されるトランザクション」の生データおよび署名。
- ウォレットが署名した時点でオフチェーンにあるだけで、まだブロックチェーン上に載っていない。
2. **L2 RPC / Sequencer**
- 署名済みトランザクションを受け取り、Sequencer のトランザクションプールへ格納。
- ここで「まだブロックに含まれていない」ため、この段階の状態は**未確定**。
- Sequencer がトランザクションをブロックに含め、op-geth で実行すると、L2 ネットワーク内で**暫定的に**ステートが更新される。
3. **Execution Client (op-geth)**
- Sequencer から送られたトランザクションを EVM 上で実行し、L2 の最新ステートを更新。
- L2 内部では「実行済みブロック」として一旦は確定扱いだが、**L1 にロールアップデータを投稿していない**ため、L1 目線ではまだ最終的に確定したわけではない。
4. **L1 への投稿 (Batch Submitter)**
- Optimism の仕組みでは、**定期的に** L2 のトランザクション(もしくはステートルートなど)をまとめて L1 に投稿する。
- この時点で L1 チェーン上に「こういう取引が L2 で実行されました」という証拠(CallData)が書き込まれる。
5. **チャレンジ期間・最終確定**
- Optimistic Rollup では、fraud proof (fault proof) 用の期間が設定される。
- 誰も「不正があった」と主張しなければ、投稿されたトランザクション群は**正しい**と見なされ、本格的にファイナリティを得る。
- これにより「L2 上のステート」が L1 のセキュリティに担保される最終的な**確定状態**となる。
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## 5. まとめ
- **ユーザーが L2 トランザクションを署名**し、**Sequencer が順番を決めて L2 ブロックを生成** → **ローカル (op-geth) で実行して状態を更新** → ある程度まとまったら**L1 にバッチ投稿** → **チャレンジ期間後に最終確定**、という一連の流れ。
- L2 内での実行と状態更新は速いが、**L1 への投稿とチャレンジ期間を経た後**に真のファイナリティを得るのが、Optimistic Rollup の特徴。
- このライフサイクルを理解することで、**「L2 上での即時的な最終化に見える状態」と「L1 で安全に担保される確定状態」の違い**を把握しておくことが重要です。