なぜBitcoinが必要とされたのか?
Bitcoinは、1998年にWei Daiによってcypherpunksメーリングリスト上で説明された、分散暗号通貨の最初の成功した実装である。貨幣とは、ある国や社会経済的な状況において、商品やサービスの支払いや債務の返済として受け入れられるあらゆる物体、あるいはあらゆる種類の記録であるという考え方に基づき、ビットコインは、中央当局に依存するのではなく、暗号技術を使って貨幣の生成と送金を制御するという考え方に基づいて設計されている。
https://en.bitcoin.it/wiki/Main_Page
ビットコインは、貨幣として望ましい性質をすべて備えている。持ち運びが可能で、耐久性があり、分割可能で、認識可能で、カンジブルで、希少性があり、偽造が困難である。
https://en.bitcoin.it/wiki/Main_Page
ビットコインとは何か?
電子マネー。
P2Pで機能する。(ここが一番すごい、P2Pで機能するようになってるのが凄い。)
ビットコインは何故生みだされたのか?
”ビットコインは、従来の通貨が抱える根本的な問題に対処しようとしている。それは、通貨を機能させるために必要なすべての信頼(trust)だ。信頼(trust)が悪いというわけではないが、信頼はシステムをもろく、不透明で、運用コストのかかるものにしてしまう。信頼の部分が失敗すればシステムの崩壊を招き、信頼のキュレーションは不平等と独占的ロックインを生み出し、自然に発生する信頼の隘路は適正なアクセスを拒否するために悪用される可能性がある。” https://en.bitcoin.it/wiki/Main_Page
補足
子供のころ、親に預けていたお年玉を勝手に使われたことないですか?これはいわゆる信頼の失敗であり、親をトラストしていた子供は悲しいかな、自らのものであったお金を勝手に使用されてしまいます。
まあお年玉に限らず、銀行とかでもこれは起こります。何らかの銀行が破綻すれば、そこに預けていた資産はほとんど消失してしまいます。知らないうちに、許可なく。
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歴史
追跡不可能な決済のための暗号化システムは、1982年にDavid Chaumによって初めて記述された6。1990年にChaumはこのシステムを拡張し、ecashとして知られるようになった最初の暗号化匿名電子キャッシュシステムを作成した7。[1998年、Wei Daiは「b-money」と呼ばれる匿名分散型電子マネーシステムの説明を発表した9。同じ頃、Nick Szaboはビットゴールドを作成した1011。ビットコインと同様に、ビットゴールドは、ユーザがプルーフ・オブ・ワーク関数を解くことを競う通貨システムであり、解決策は暗号的に連鎖され、分散型財産権レジストリを通じて公開される。再利用可能なプルーフ・オブ・ワークと呼ばれるビットゴールドの亜種は、ハル・フィニーによって実装された11。
2008年、サトシ・ナカモトはmetzdowd.comの暗号メーリングリスト14でビットコインプロトコルを説明する論文1213を発表した。
2009年1月3日、最初のビットコインクライアントであるwxBitcoinがリリースされ、最初のビットコインが発行されたことにより、ビットコインネットワークが誕生した151617。
https://en.bitcoin.it/wiki/Bitcoin#history
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Satoshi NakamotoはBitcoinの論文を”Cypherpunk Mailinglist”に投稿した。
この”Cypherpunk”とは何だろうか?
以下 https://cryptoanarchy.wiki/getting-started/what-is-a-cypherpunk より部分抜粋
ウィキペディアは「サイファーパンク」を次のように定義している(2018-05-26):
サイファーパンク(cypherpunk)とは、社会的・政治的変革への道筋として、強力な暗号とプライバシー強化技術の普及を提唱する活動家のことである。もともとは電子メーリングリスト「Cypherpunks」を通じて交流していた非公式なグループで、暗号を積極的に利用することでプライバシーとセキュリティを実現することを目指していた。Cypherpunksは1980年代後半から活発な運動を行っている。
1992年末、エリック・ヒューズ、ティモシー・C・メイ、ジョン・ギルモアの3人は、サンフランシスコのベイエリアにあるギルモアの会社シグナス・ソリューションズで毎月会合を開く小さなグループを設立し、最初の会合のひとつでジュード・ミルホンがcipherとcyberpunkをもじってcypherpunks(サイファーパンクス)とユーモラスに呼んだ。2006年11月、この言葉はオックスフォード英語辞典に追加された。
サイファーパンク宣言(1993.3.9)
https://www.activism.net/cypherpunk/manifesto.html (長いので読みたい人だけ読む感じで)
さっくりまとめると、
インターネットの時代には、"プライバシー"が必要になる。。
プライバシーとは、自分自身を選択的に世間に明らかにする力である。
インターネット上の取引の根本的なメカニズムによって私の身元が明らかになってしまうとき、プライバシーがない。
したがって、開かれた社会におけるプライバシーには、匿名取引システムが必要だ。
そしてこのシステムには暗号技術が必要である。
政府や企業など、顔の見えない大組織がその恩恵としてプライバシーを与えてくれるとは期待できない。
サイファーパンクはコードを書く。ソフトウェアは破壊できないし、広く分散したシステムはシャットダウンできないからだ。
補足
買い物をするとき、本当は個人情報は必要ない。お金と商品がやり取りできれば両者は満足なので、現実世界の現金による商取引には匿名性がある。
しかしインターネットを通じた商取引は、お金や商品を送る/受け取る相手が本当に意図している相手なのかを確認せねばならず、ここで個人情報の公開が必要になる。この商取引のシステムが必ず個人情報を扱わないといけないとき、プライバシーはないと言える。
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ビットコインはなぜ生み出されたのか?
これを追うヒントは、最初のビットコインの論文が”公開された場所”にある。
2008年、Satoshi NakamotoはBitcoinの論文を”Cypherpunk Mailinglist”に投稿した。
このCyperpunkとは、1992年ごろから流行ったムーブメントの一つで、ウィキペディアには以下のように定義されている:
サイファーパンク(cypherpunk)とは、社会的・政治的変革への道筋として、強力な暗号とプライバシー強化技術の普及を提唱する活動家のことである。もともとは電子メーリングリスト「Cypherpunks」を通じて交流していた非公式なグループで、暗号を積極的に利用することでプライバシーとセキュリティを実現することを目指していた。Cypherpunksは1980年代後半から活発な運動を行っている。
Satoshi Nakamotoもこの思想の支持者だとして、
彼らの思想の根幹にはこのようなものがある:
サイファーパンク宣言(1993.3.9)
長いのでまとめると以下のような感じ
・インターネットの時代には、"プライバシー"が必要になる。
・プライバシーとは、自分自身を選択的に世間に明らかにする力である。
・インターネット上の取引の根本的なメカニズムによって私の身元が明らかになってしまうとき、プライバシーがない。
・したがって、開かれた社会におけるプライバシーには、匿名取引システムが必要だ。
・そしてこのシステムには暗号技術が必要である。
・政府や企業など、顔の見えない大組織がその恩恵としてプライバシーを与えてくれるとは期待できない。
・サイファーパンクはコードを書く。ソフトウェアは破壊できないし、広く分散したシステムはシャットダウンできないからだ。
この思想とは別に、”デジタル通貨”を作ろうとする試みが過去にいくつかあったが、やがてサイファーパンクと迎合していった。
古くは1983年のDavid Chaumによるe-cash(分散型アーキテクチャのデジタル通貨の提唱)、
サイファーパンクムーブメントの全盛期あたりで、
1997年のAdam BackによるHashCash(PoWの発明)、
1998年のWei Deiによるb-money(多分イーサの単位weiの元ネタ)とNick Szaboによるbit gold(ビザンチン問題耐性)などが開発された。
(ちなみにNick Szaboはスマートコントラクトを提唱した人物でもある。1994年。)
これらはどれも理論どまりであったり何らかの脆弱性があったりしたが、それらをすべて克服し、最初にきちんと機能した分散型デジタル通貨のシステムがビットコインだった。
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思想についてですが、