Bitwigに対する個人的な要望 v5.3.13
追記: 私の個人ブログにも同様の内容を書いています。リンク先の記事はBitwig 5の新機能のまとめ付きです。もしよければどうぞ。
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多くの方にはどうでもいい情報ですが、私的な要望をいくつか書き残します。
現在のBitwig Studio: version 5.3.13
機能的な部分
他のDAWにはある機能ですが、Bitwigには現在実装されていない仕様です。
特定のプラグインをブラウザから除外する設定
wavesのmonoやmono/stereo のプラグインは全トラックがステレオ前提のBitwigではほとんどのケースで不要ですし、ブラウザから除外できるような設定が欲しいところ。
他のDAWではたいてい実装されていたように記憶しています。
横方向スクロールの仕様を統一する
macOSはShift+マウスホイール、Windows/LinuxはAlt+マウスホイール…なぜ?
デファクトスタンダードはShiftですので、できればShiftに合わせるか、設定で変えられるようにして欲しいところ。
Alt+マウスホイールがどうしても許せない方は水平ホイール付きのマウスがおすすめです。私はコレで誤魔化しています…
オートメーションエディタの縦方向ズーム機能
オートメーションの縦方向のズーム倍率を変更できるようにしていただきたいです。特にtempoの細やかな変更がマウスで難しい… 現状、縦方向の拡大縮小がないので、20bpm~666bpmのフルレンジから調整することになります。特に400以上なんてよほどのボルテコンポーザーじゃない限り不要では… 100~240程度を使うにしてもレンジが広く値の変化が見づらいので、拡大縮小できるようにしていただきたいです。
なお、表示エリア自体の拡大縮小はできます。見えているレンジは常にフルレンジですが。
「不明なプラグイン」が挿入されている箇所にジャンプできるようにする
パスが見つからないと出る「不明なプラグイン」。対象をアンインストールした場合に限らず、プラグインをバージョンアップした際や、他の環境で作ったプロジェクトを読み込んだ際にも時々発生します。同じ名前のプラグインでも、バージョンアップすると読み込めなくなる場合があります。
それらは「プロジェクトパネル」→「プラグイン」→「不明」タブに表示されるのですが、プロジェクトのどこで使われているのかわかりません。
不明なプラグインがあるとバウンス時に毎回警告が出ます。加えて、私の環境だとバウンス後に再生・停止が効かなくなる不具合が発生します(v5.3.13)… 直して欲しい。
それか、せめて不明なプラグインが挿入されている箇所にジャンプする機能が欲しいです。
https://scrapbox.io/files/68c6cf893d4a1ef2c023db25.png
今のところは強く望んでいないが、あると嬉しい機能
あれば嬉しいのですが、他DAWとの機能的な差異がなくなることを目指すよりもBitwigには個性を尖らせて欲しいところ。
ARA2対応
これは人によっては非常に強い要望だと思います… 私もSynthesizerVなどをARA2で動かせれば万万歳だとは思いますが…そうこう期待している間になんだかんだ別ウィンドウ方式で慣れてしまったので、要望度は低くなりました。しかしあれば嬉しい。
トラックのバージョニング
CubaseやLogicにあるトラックバージョンに相当する何らかの仕様が欲しいです。
私はアレンジから2mixまでを同じプロジェクトで仕上げるスタイルですので、アレンジが固まったらステム化してmixに集中したいのですが、書き出し前の情報を残しつつトラック1つで完結する良い機能がありません。
今は単一のトラックを入れたフォルダトラックを使っています。フォルダトラック側で範囲選択してバウンスインプレイスを行い、内包トラックの作動をOFFにすれば疑似的にトラックフリーズを実現できます。フォルダを閉じればあたかも1トラックです。さらに、内包トラックは音作り、フォルダ側はmix用、と役割を分けられます。この方法で慣れてきたので私の中では優先度は低めです。
よりBitwigらしい機能を目指すなら、トラックバージョンではなくクリップバージョンは面白そうですね。これができればMIDIクリップをバウンスインプレイスしたときにMIDIが消えるなんてことも無いですし。1トラックにオーディオとMIDIの両方が入る仕様にプラスして、クリップ単位でも音声とMIDIの混在…Bitwigの個性にマッチして面白いと思います。実装はめちゃくちゃ大変そうですけどね…
https://scrapbox.io/files/68a3591aa85220302329e6da.png
マウスドラッグによるプラグインの一括ON/OFF・トラックの一括ミュート
Logicにある機能です。CubaseのMixConsoleにも似た仕様があったような。
いずれかのプラグインのON/OFFボタンをクリックしたままマウスドラッグすると、なぞった箇所にあるプラグインのON/OFFを一括で切り替えられます。意外と便利なので思い出してふと羨ましくなります。
Chainでコンテナした場合も、左側のエフェクトチェインから中身を見れるようにしてほしい
現状、Chainで複数プラグインを入れてもインスペクタパネルからは"Chain"としてしか表示されません。Chainだけで良いので、入れ子にして中身を見れるようにして頂きたい…
リアルタイムルーラーの0位置を任意の場所に調整できるようにする
現時点では、リアルタイムルーラーのはプロジェクトの1小節目の頭を0としてスタートします。ここを任意の小節、たとえば4小節目からなどに変更できるようにしてほしい。
プロジェクトの1小節目から音源を書き出すとは限らないので、任意の位置から開始できるようになれば長さの見積もりが楽になるのになぁと思っています。
いずれにしても、Bitwig Studioは今まで私が使ってきたDAWの中で最も私のワークフローにマッチしているし、気に入っています。不便なところも工夫でなんとかなっているので、上に挙げた要望もnice to haveレベルです。
ここ最近はdawproject、CLAPの策定といったDAWを跨いだアプローチやストックプラグインの拡充が中心で、創造性特化の躍進というよりは堅実寄りのアップデートだったと思います。Focusなどのアナログモデリング系のプラグイン追加は特に意外でした。
すでに基礎はかなり仕上がっていますし、今後はもっとクリエイティブな何かを求めたいところです。