Gladeのインストール・初期設定
(2020/05/19:akita11=1st)
Gladeのインストールと初期設定は、簡単そうにみえて、いくつかハマりやすいポイントがあるので、以下にまとめておきます。
インストール
Windowsの場合
使っているOSにあわせて、Windows用の32bit用(Windows 32 bit build)または64bit用(Windows 64 bit build)のいずれかをダウンロードします。
拡張子がzipのファイルがダウンロードされるので、エクスプローラ等で適当な場所(デスクトップなど)に展開して、「glade4_win32」または「glade4_win64」というフォルダが作成されます。
そのフォルダの中にある"glade.exe"をダブルクリックして起動します。必要ならばショートカットを作っておくと便利でしょう。
Macの場合
Mac用のファイルをダウンロードします。
拡張子がtar.gzのファイルがダウンロードされるので、ダブルクリック等で適当な場所(デスクトップなど)に展開して、「glade4_mac64」というフォルダが作成されます。
そのフォルダの中にある"glade.app"をダブルクリックして起動します。必要ならばショートカットを作っておくと便利でしょう。 以下の初期設定に書いてあるとおり、ターミナルのコマンドラインから直接起動するのが確実そう
Linuxの場合
使っているLinuxのディストリビューション(Ubuntu等)にあわせてLinux用のファイルをダウンロードします。拡張子がtar.gzのファイルがダウンロードされます。
ターミナル等のコマンドラインから、以下を実行する(※行頭の$はシェルのプロンプト。後半の「(※」以下はコメントなので入力不要))
$ tar zxcv glade4_linux64_ub18.tar.gz (※展開)
$ glade4_linux64_ub18/bin/glade (※起動。必要に応じてパスを通したりシンボリックリンクを作ると便利)
「libpython2.7.so.1.0: cannot open shared object file」の様なエラーが出たら、Python2.7が入っていないので、次のコマンドを実行する。
$ sudo apt install --reinstall libpython2.7
初期設定(その1:環境変数の設定)
※Python関連の設定は、まだバグがあるかもしれません。これでは動作しないなどありましたら、MakeLSI:のMLか、akita@ifdl.jp までご連絡ください
Gladeでは、内部でいろいろな場面でPython(Python2.7)が使われます。そのため、Pythonに関する初期設定が必要になります。特にすでにPython3を使っている場合は、その切替が少し面倒ですが、忘れずに設定をしておきます。
Windows版では、ダウンロードしたファイル一式の中にPython2.7が含まれているので、Gladeを使うときは後述する設定で、これを指定するのが一番無難でしょう。
Macでは標準でPython2.7が入っていますので、ダウンロードしたファイル一式にはPythonは含まれていません。
LinuxではPython2.7が入っている場合と入っていない場合があります。入っていない場合は、前記のインストール手順に沿ってインストールします。
Gladeでは、Python関係も含めて、以下の2つの環境変数を使いますので、それぞれ設定しておきます。
GLADE_HOME:Gladeをインストールしたフォルダ(ディレクトリ)。例:c:\Users\akita\Desktop\glade_win64
PYTHONPATH:Pythonスクリプトの場所。「Glade:アナログ回路の設計」などで使うPCellを使う場合は必ず設定します。※OpenRule1umを使う場合は、「Gladeを使ったLSI設計」でダウンロードしたフォルダOpenRule1umの中のフォルダGladeを指定する(例:c:\Users\akita\Documents\GitHub\OpenRule1um\Glade)。なお環境変数PYTHONPATHには、もう1つ、%GLADE_HOME%(環境変数GLADE_HOMEの値、つまりGladeをインストールしたフォルダ:Winの場合。MacやLinuxでは$GLADE_HOME)を追加しておくとよいです(これによって、特にWindowsではダウンロードしたGladeファイル一式の中に含まれるPython2.7が明示的に使われるのと、Glade付属のPythonスクリプトが使えるように) 環境変数の指定の仕方はI 以下のとおりです。
Windows:コントロールパネル→システム→システムの詳細設定→環境変数から
(例)GLADE_HOME → c:\Users\akita\Desktop\glade_win64
(例)PYTHONPATH → %GLADE_HOME%;c:\Users\akita\Documents\GitHub\OpenRule1um\Glade
Mac:~/.bash_profile または ~/.zshrcに、export PYTHONPATH=$GLADE_HOME:(Gladeを展開したフォルダ名)を追記する。(エディタnanoなどを使って) Gladeを展開したフォルダ名は、例えば/Users/(ユーザー名)/Desktop/glade4_mac64のようになる。(なおターミナルを開き、echo $SHELLで使っているシェルがわかるが、それがbashならば.bash_profile、zshならば.zshrcに設定を書く。)念のためこれらの設定ファイルをsourceすると確実。そのターミナルから、コマンドラインで $GLADE_HOME/glade と入力して直接Gladeを起動するのが確実
(例)export GLADE_HOME=/Users/akita/Desktop/glade4_mac64
(例)export PYTHONPATH=$GLADE_HOME:/Users/akita/Documents/GitHub/OpenRule1um/Glade:$PYTHONPATH
Linux:ディストリビューションによって異なりますが、シェルにあわせて~/.basrcなどに、Macの例を参考に設定を記述します。
なお別にPython2.7がインストールされている場合や、Python3も使っている場合は、環境変数PYTHONHOMEも設定する必要があります。この環境変数は、使うPythonの実行ファイルの場所を指定するものです。Gladeを使うときには、これをGladeをインストールしたフォルダ(例:c:\Users\akita\Desktop\glade_win64、または環境変数GLADE_HOMEを書いておく。Windowsでは%GLADE_HOME%、Mac/Linuxでは$GLADE_HOME)を指定しておきます。MacやLinuxでは、Python2.7がインストールされているディレクトリを指定します。
なお環境変数PYTHONHOMEが設定されていない場合は、Windowsではglade.exeを起動したフォルダ(または環境変数GLADE_HOMEの値)が使われますので、ダウンロードしたGlade一式に含まれているPython2.7が使われます。
なおPythonの切り替え環境であるAnacondaでは、Pythonのバージョン環境切替時に実行するスクリプトを指定できるので、そこでこの環境変数PYTHONHOMEを切り替えると便利でしょう。
初期設定(その2:起動時の動作の設定)
Gladeは起動時に、読み込むライブラリなどを指定することができます。毎回使うライブラリがある場合は、それを指定しておくと便利です(わからなければ、しなくても大丈夫です)。以下のホームディレクトリに.glade.pyというファイルを置いておくと、起動時に読み込まれます。
Windowsの場合:PC→Windows(C:)→ユーザー→(自分のユーザー名) (※またはc:\Users\(ユーザー名))
Macの場合:Users→(ユーザー名) (※または~/)
Linuxの場合:/home/(ユーザー名)など (※または~/)
以下は、起動時に"OpenRule1um_Basic"というライブラリを開く設定の例です。※実際のライブラリの置いてある場所にあわせて、"dbOpenLib"の中のパスを修正してください。(※Windowsでも、ディレクトリ名の区切りは、バックスラッシュ(\)ではなく、スラッシュ(/)を使います)
code:.glade.py
libOR1 = library("OpenRule1um_Basic")
libOR1.dbOpenLib("c:/Users/akita/Documents/GitHub/OpenRule1um/Glade/OpenRule1um_Basic")
PATHの設定ミスをしてコマンドが打てなくなった場合の対処
.zshrc のPATHを設定ミスすると、コマンドを打っても zsh: command not found になる場合があります。その時はviもnanoもlsも出来なくなりますので、finderを開いて、command + shift + .(コマンド + シフト + ピリオド)
で、隠しファイルやフォルダの表示と非表示の設定が切り替えて、.zshrcを表示させて修正するとよいです。