00105-20221015 匂いが呼び起こす
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福岡は、朝から気持ちの良い秋晴れの一日となりました。日中は汗ばむ陽気でしたので仕事を続けて、夕刻から散歩に出かけました。久しぶりにマスクを外すと、今が季節と咲き誇るバラの重厚な香りや、キンモクセイの甘い香りが鼻をくすぐりました。それと共に、香りから季節を感じて、ハッとしました。しばらく忘れていた感覚が鮮やかに蘇ったと思いました。
もくせいのにおいが庭いっぱい
表の風が、御門のとこで、
はいろか、やめよか、
相談してた。 金子 みすず
途中でスーパーに寄り、買い物をして出てくると、空は茜色に染まっており、家々からは、ニラとニンニクの効いたもつ鍋、ビーフシチュー、サンマの焦げる香りと、夕食のうたげが目に浮かぶでした。マスクのせいで、無機的にしか感じなかった家々の営みが、急に人間くさく感じられました。
科学的には、嗅覚とは、対象とする物体から放出されて空中に浮遊している化学物質を鼻腔内のセンサーに吸着して判断されるものです。加齢により、人は視力が変り、聴覚も高音を聞き取れなくなるように退化していきますが、嗅覚のセンサー(受容体)の数も種類も一定で減少しません。裏を返せば、嗅覚はそれだけ生命維持にとって大切であるに違いないと言うことが出来るのではないでしょうか?
嗅覚を失うことが人間らしい生活の潤いをなくしていたことに改めて驚きながら帰宅しました。
【参考】