00101-20220816 永遠に残る化学物質(PFAS)
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化学研究により、われわれは自然界に存在しない便利な化学物質をたくさん作り出してきました。そのような化学物質の一つが、PFAS (Polyfluoroalkyl Substances) (パーフルオロアルキル化合物)です。PFASは、1940年代から使われているフッ素樹脂であり、水や油をはじき、熱や薬品に強く、また光を吸収しないという特性により、撥水剤、表面処理剤、消火剤、コーティング剤として幅広く使われてきました。OECDから2018年に発表された報告書によれば、4730種以上の物質が含まれるとことです。特に有名なのは、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の2つです。 ご存知のように、エアコンや冷蔵庫の冷媒として使われてきた塩素や臭素を含むフロンは、紫外線から地球を守るオゾン層を破壊し、オゾンホールを作り出します。このためフッ素を含むフロリナートが代替フロンとして使われてきました。しかしながら、フロリナートは温室効果ガスであることが判明して問題となっています。このフロリナートは、PFASの一種なのです。 フロンもフロリナートも問題な点は、分解されにくい物質であることです。PFASは、フッ素(F)と炭素(C)の化合物であるので、この分解されにくい性質と合わせて、Forever Chemicalsと呼ばれるようになりました。従って、 PFASを含んだ食材、魚や肉、野菜などを食べれば、われわれの体内にも蓄積されていくことになります。PFASには、発ガン性や不妊症、そして幼児の場合には発達の遅れを発現させることが、既に判ってきています。。例えば、PFOAの毒性については、経済産業省の資料をご覧下さい。 【参考】