001  -20220817 MRIとは?
1990年代から始まった機能的磁気共鳴画像法(fMRI)(簡便な解説は、こちらにあります。)の発展により、2000年代に入って脳機能の解明は大きな進歩を遂げました。
MRI (Magnetic Resonance Imaging(たぶん磁気共鳴画像法と呼ぶよりも一般的だと思います)は、超伝導磁石を用いた強力な磁場と数十MHzの電磁波を組み合わせる事で、体内の大部分を占める水(H2O)の中にある水素の挙動を検出しており、臓器の断面写真を提供します。これに対して、機能的磁気共鳴画像法(fMR, functional MRI)は、血液中のヘモグロビンに着目しており、脳内の血流の状況を視覚化することで、脳内の神経活動を理解するための強力な道具となっています。MRIの原理自体は、水素の検出だけでなく、電磁波の周波数を変える事で、他の元素、例えばナトリウム(Na)やカルシウム(Ca)、そしてヘモグロビンに含まれる鉄(Fe)などを検出することが可能なのです。
脳の学習を表すものとして、ヘブ則(Hebb's principle)が良く知られています。ヘブ則によれば、刺激を受けた神経細胞(ニューロン)が発火(神経細胞の電位パルスの発生)すると、同様に発火した別の神経細胞(ニューロン)との結びつきが強くなり、それが学習につながります。
例えば、視覚において物の形を理解するためためには、光が当たっている場所を検出した視覚細胞と光が当たっていない視覚細胞の両方が必要となります。