経験主義は個人的な経験ではなく実験・観察の経験
経験論における「経験」という語は、私的ないし個人的な経験や体験というよりもむしろ、客観的で公的な実験、観察といった風なニュアンスである。したがって、個人的な経験や体験に基づいて物事を判断するという態度が経験論的と言われることがあるが、それは誤解である。
経験主義は英語だとempiricalism。empiricalを辞書で引くとこう。
em・pir・i・cal | ɪmpɪ́rɪk(ə)l |
形容詞
〖名詞の前で〗(理論ではなく)実験実証, 経験に基づいた(↔ theoretical). 経験主義といった時にどうしてもexperienceを思い浮かべてしまうけどそうではなさそうと思ったのだが、experienceを辞書で引くとこうで、うーん、ちょっと思っていたのと違う。そもそも形容詞と名詞だ。
experience | ˌikˈspirēəns |
noun
practical contact with and observation of facts or events: he had already learned his lesson by painful experience | he spoke from experience.
practical contact with and observation of facts or events, というのは、割とempiricalにも近い気もする。すると私がexperienceに抱いているイメージもそもそも違う気がしてしまう。