アルカイダに負け続けた米軍が勝つ組織になれた理由は「7500人で毎日90分の電話会議」にあった
ミッションを伝える
彼らが信頼する相手はごく一部に限られ、「ミッションと自分の任務だけ教えてくれれば、あとは邪魔をするな」という態度でしたから。
もし、全体のつじつまが合うように、完璧なミッションを割り振れる組織トップがいたならば、理論的には問題はなかったでしょう。
でも、現実はそうはいきませんでした。組織全体がより大きなミッションに目を向ける必要があったんです。
毎日大きなミッションについて話し、貢献を称えるようにしました。
野球に例えるなら、「あなたの打率はなんでもいい。肝心なのは、スコアボードに表示されたチーム全体のスコアだけだ」ということです。
ビデオ会議の重要なメリットの1つは、メンバーの誰もがリーダーである私を直接知らなくてもいいことです。ビデオ会議を通じて毎日私を目にすることで、存在を確認できますから。私の考えを察し、より団結した文化を育むことができました。
階層型のまま情報共有の方法を変化させる
軍隊はピラミッド型組織です。情報は上層部から下層部に流れ、また下層部から上層部へと上がっていきます。
ただ、伝達に時間がかかることに加え、情報にフィルターがかかったり、時には誤って伝達されたりすることもありました。
柔軟性の見つけどころは難しかったですが、役職は残しました。階級と責任を明確にするためです。
唯一あったのは透明性を脅威に感じた中間層からです。「情報をコントロールせずに、どう責任を取ればいいのですか?」と不安の声が上がりました。
そこで、中間層への期待値を大々的に伝えたんです。そして「下層部の人間が、上司の耳に先に入れることなく、指揮系統の全員に同時に発言した場合、上司に直接の責任はない」ことを明確にしました。