ノンカストディアルレンディング無限回繰り返しゲーム
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m0t0k1ch1.icon @sg 氏の脳汁案件とのことなので、実際に無限回繰り返しゲームっぽく考えてみる ---.icon
m0t0k1ch1.icon 無限回繰り返す(長期間)前提のゲームでトークン価値のボラティリティを妥当に加味するのは難しい
m0t0k1ch1.icon そもそも、無限回繰り返すという前提の妥当性も今の世界観ベースだと怪しい
m0t0k1ch1.icon ので、無限回繰り返しゲームっぽく考えるならこんな感じかな?程度のメモです
以下のような簡単化したモデルで考えてみる。
ステークホルダーは以下の 3 人とする。
Alice:borrower
Bob:lender
Tom:TTP(Trusted Third Party)
Tom は Bob と共謀する可能性があることとする
Alice は$ \alpha xを担保にすることで Bob から$ xを借り入れ、$ \beta xを返済することで担保を取り戻せることとする。また、返済(担保返却)には Tom の合意が必要であることとする。期限内に Alice が返済しきれない場合や、Tom が返済に合意しない場合、Bob が担保である$ \alpha xを得ることとする。また、Alice は借り入れた$ xを運用して必ず$ \gamma xにできることとする。なお、$ \alpha \geq 1, ~ \beta \geq 1, ~ \gamma \geq 1であることとする。
m0t0k1ch1.icon Alice の運用力に対する仮定は強引だけど、とりあえず簡単化のためということで
m0t0k1ch1.icon 実際には「担保は DAI、借り入れるのは ETH」みたいな違いもあるだろうが、これも一旦目を瞑る
このようなレンディングゲームを無限回繰り返し行うことを考える。このとき、各ステージゲームにおける Alice と Bob・Tom の行動の選択肢は以下であることとする。
Alice
$ C_A:借り入れて必ず返済する
$ D_A:借り入れない
Bob・Tom
$ C_B:返済に応じる
$ D_B:返済に応じず担保を奪う
また、各ステージゲームにおいて、各行動の組み合わせに対する双方の利得は以下のようになる。
$ (C_A, C_B):$ ((\gamma - \beta)x, (\beta - 1)x)
$ (C_A, D_B):$ ((\gamma - \alpha)x, (\alpha - 1)x)
$ (D_A, C_B):$ (0, 0)
$ (D_A, D_B):$ (0, 0)
ここで、Alice の戦略は以下であることとする。なお、これは Bob・Tom も知っていることとする。
最初のステージゲームでは$ C_Aを選択する
Bob・Tom が$ C_Bを選択している限り$ C_Aを選択し続ける
Bob・Tom が一度でも$ D_Bを選択したら、以降は$ D_Aを選択し続ける
$ (C_A, C_B)が繰り返され続ける場合、割引因子を$ \deltaとすると、Bob・Tom の割引総利得$ V_Bは以下のようになる。なお、$ 0 \leq \delta \leq 1であることとする。
$ V_B = \sum_{t = 0}^\infty \delta^t(\beta - 1)x = \frac{\beta - 1}{1 - \delta} x
よって、Bob・Tom が$ C_Bを選択し続けるのが合理的となる条件は以下のようになる。
$ \frac{\beta - 1}{1 - \delta} > \alpha - 1