数の文化第2回
小テストから以下のような同値類が浮かんできた
n ~ m ⇄ n=ab^2となる最小のa,m=cd^2 となる最小のbが等しい
∃c,b,d∈ℕ(n/b^2=m/d^2=c)
逆数の和がどれだけ大きいか
密度が大きいと発散する
調和級数すなわち、自然数全体は1
冪乗はlim(n→∞)logn/n
定理
素数の逆数の和は発散する
Erdosの証明
補題
自然数nはn=al^2という形に一意的に表せる
ただしaは1より大きい平方数では割れない
nを素因数分解する
n = Πpi^ei
eiが偶数のとき、pi^eiをlに入れる
eiが奇数の時piを1つaに入れて、pi^ei-1をlに入れる
証明
素数の逆数の和が収束すると仮定する
lim(n→∞)∑1/piが、有限の値Aに収束すると仮定
∑(i=1,k)1/pi≥A-1/2, ∑(i=k+1,∞)1/pi<1/2となる番号kが存在する
kは無限にあるね(最小のkの存在はあるはず)ik.icon
ε-N論法から収束するなら、∑(i=k+1,∞)1/piをε未満に抑えられる {p_i | i∈N, i≤k}を小さい素数の集合
{p_i | i∈N, i>k}を大きい素数の集合
このようなkに対して、自然数Nを十分大きく取る
N以下の自然数の集合をを2グループに分割する
集合A
少なくとも一つの大きい素数で割ることができる
その濃度をN1とする
集合B
すべての約数が小さい素数である
その濃度をN2とする
全体集合=集合A∪集合B
∅=集合A∩集合B
N1+N2=N
集合Aの濃度
pk+1の倍数はpk+1間隔で出現
(N/pk+1)個以下
()は床関数
同様に
pk+iの倍数はpk+i間隔で出現
(N/pk+i)個以下
()は床関数
N1 ≤ Σ(N/pk+i) = NΣ(1/pk+i) < N/2
重複して数を数えている可能性があるので、不等号
集合Bの濃度
nがBに属するとする
n=al^2という形に素因数分解する
このときa = Π(i=1,k)pi^e^i
e^iは0,1しか取らない
aのパターンは2^k個
kまでの素因数分解で十分なのは集合Bは小さい素数の積で表される数の集合だから
n = al^2≤ Nでa≥1であるから
l^2 ≤ N
l ≤ √N
よってlの選び方は√N
以上により、al^2の形で表される数の集合Bの個数は2^k√N以下
N2≤2^k√N
もし2^k√N<N/2であるなら矛盾する
変形すると2^2k+2 < N
2^k√N<N/2
2^k+1√N< N
2^2k+2 N < N^2
2^2k+2 < N
このようなkを取ることができる
なぜならkはいくらでも大きく取れるから
そのようなkを取るとN2 < N/2
N1+N2<N
N1 < N/2
N2 ≤ N/2
これは仮定に矛盾する
論理の話
ここでは古典論理を考える
P→Qと¬Q→¬Pの真偽は一致する
Pを「素数は有限個」
Qは「素数の逆数の和は収束する」
¬Pは「素数は無限個」
¬Qは「素数の逆数の和は発散する」
以下の命題の真偽は一致する
「素数は有限個」ならば「素数の逆数の和は収束する」
「素数の逆数の和は発散する」ならば「素数は無限個」
今回
「素数の逆数の和は発散する」を証明したので、「素数は無限個」も導かれる