C先生の悪戦苦闘
私の勤務校は、私立の女子中高一貫校。高校2・3年生には1人1台タブレットが支給されています。ロイロノート・スクールは5年前に導入し、高校生を中心に使い慣れてはいました。
私の勤務校では、春休みの時点で高校生の受験科目を中心にWeb講習を実施。4月には有志の教員を中心に、中学生2・3年生にまで対象を拡大してWeb講習を継続。5月の連休明けから、1日4時間で全教科Web授業を開始しました。
うちの学校では、方針として基本的に使うツールは「ロイロノート・スクールのみ」!(数学はQubena、英語はターゲットのアプリ版なども使っていました)
Zoomなどが使えなくて顔は見えないけど、勉強はもちろん、双方向のやり取りでコミュニケーションはとりたい!というところから、私のWeb授業は始まりました。
やったこと① … 使えるものは使う
私は、これまでの授業で補助資料をロイロノート・スクールに蓄積していました。
これを使わない手はない!ということで、普段使っているプリントを登校日に配布して、ロイロノート・スクールで解説を配信する、という方法を選択しました。
https://gyazo.com/a7e65cefe15c74cfbfa90e1d3c3d4299
こんな感じで…。ちなみに、数字はプリントの穴埋めの番号です。
やったこと②…カードに音声を吹き込む
資料を整理したら、カードに音声を吹き込んでいく。
長くてもカード1枚につき2分まで(聞いていて飽きるのと、長くなると取り直しになったときのダメージが大きいから)。
ひたすらタブレットに向かってしゃべり続けました…。
やったこと③…「一緒に授業をしている感」を演出する
できた資料を配信すれば、それで事足りるのですが、せっかく授業の時間枠も決められているし、オンラインの双方向の強みも発揮したい。
そこで、進度の確認と理解の確認や復習を兼ねて、区切りに発問カードを作りました。
https://gyazo.com/6a653c9fad8aa13043991df246167b1c
授業の復習や、ときには雑談めいた質問も。解答には⭕やコメントをつけて返却。
やったこと④…できる範囲でシンキングツール
毎回ではなかったけれど、考えさせる課題を実施(特に中3の公民で)。
生徒同士のやり取りは難しい環境だったので、個人の意見を出してもらい、回答を共有、その後、改めて個人の意見を出してもらう、という方法でカバー。
展開も稚拙で課題は山積みだけど、こういう授業をした後の感想は反応が良かったりします。
⭐振り返りと反省⭐
良かったこと
自分のペースで学習できる。わからないところを繰り返し聞くことで理解が深まったという感想があった。
発問に対する反応が良い。特に、人目を気にして発言をはばかる傾向があるクラス。「口頭で答えさせるよりロイロノート・スクールで提出させた方が、授業が深められる」というベテランの先生のお知恵を拝借。
手の込んだことができなくても、回答を共有するだけで生徒の刺激になる。生徒の感想を見て気付いたこと。正誤がはっきりする質問には向かないけども、自由に意見を述べる課題であれば、他人の意見を見ることが自分の意見を深める第一歩になる、ということに改めて気付かされた。
自分の喋り方の悪い癖に気付く。音声を吹き込んでいると、気になるところばかり。普段、どれだけいい加減にしゃべっていたのか、すごく反省。
悪かったこと
このやり方では、準備に時間がかかる。いくつも授業を抱えると持たない。
一斉に課題を始めたいときに生徒の進度が揃わない。非同期(オンデマンド型)に近い形で授業を進めたので、進度に差ができてしまい、課題を始めるタイミングが難しい。
課題に対する意味の取り違いや勘違いが起こったときに修正がきかない。教室であれば、机間巡視をして、こちらが気付いたときにその場で訂正やアドバイスができるけれど、オンライン授業では、提出物を見て「あちゃー!」と思うことも。例を示すなど、問い方を工夫する必要性を感じました。また、授業の内容の定着が不十分だったため、課題の回答に誤解が含まれていることも多々。オンライン授業で、学習の定着の確認は大きな課題ではないでしょうか。