【数学】対話的に授業を進める仕掛け
オンラインでも対話的に授業を進める工夫
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まずは対話しましょう
どんな場面でオンライン授業は盛り上がっているのか?
ミュートの生徒たち、どう反応を見る?
生徒たちの回答をお互いに評価させるには?
これこそ対話の肝、オンラインでシンキングツール使ってる?
対話のために使えるサイト・ツールトーーーーク!
限られた環境下でもできる、対話の可能性
オンラインで対話的に授業を進めるノウハウまとめ
目次
1. オンライン授業ですぐに活用できる(小手先)テクニック
2. これは使えるロイロノートの機能
3. これは便利、Zoomの機能
4. Zoomやロイロノートと外部のサイト・アプリを組み合わせて使うテクニック
5. オンラインで対話するキモ
1. オンライン授業ですぐに活用できる(小手先)テクニック
TT(チームティーチング)
ふたりの教員同士のやりとりが、生徒にとっては新鮮。
メインの教員が授業を進め、サブの教員が生徒の様子を見る。
サブ教員の役割
遅刻や不具合のある生徒とのやりとり。授業の流れがスムーズになる。
集中力の切れた生徒に声掛け。励ましの言葉に笑顔で反応されるとこちらも元気になる。
分かったかどうか体で表現
「手を挙げる」や「チャット」では全員分を瞬時に確認できない。
楽しい雰囲気を作りやすい。
顔の周りに大きく〇、✕
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選択問題で選択肢1、2、3…を指で出す。
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ブレイクアウトルームに移動する際に、予めじゃんけんの手を出しておく。
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初めの約束「基本はミュート,質問・不具合の時だけ自分でミュートを解除」
教員は授業に専念できる。
対話的雰囲気が生まれる。
聞こえない・見えない・わからないがすぐわかる。
落ち着かない生徒の様子が、教室の授業よりも気にならないとの意見も出るほど。
2. これは使えるロイロノートの機能
ロイロノートだけでSHR 会えなくても、ロイロノートの向こう側にクラスメイトの存在を感じる
時間を決めて毎朝ロイロノートに集まる。
来たら回答共有した提出箱に挨拶のカードを作って入れる。
絵を描く・動画を入れるなど、凝ったカードを作る生徒も。
挨拶カードで生徒間対話している生徒も。
生徒が他の生徒にカードを送るのは認めない。
担任は一言書き込んで返却。
Web版のカードには Windows アプリで書き込めない。→改善熱望
Web版は「印刷」「PDF書き出し」「提出箱スクロール対応」がない。→改善熱望
担任の声の入ったカードを配信し、教室と同じ作法でSHRを進行。
最後に日直が提出箱に「今日のお題」を出し、3分間で全員が答える。
保護者から「朝起きるようになった」と感謝された。
Classi がほとんどつながらなかった時期も、SHRで確実に伝達できた。
学級委員も教科係も決まっちゃいました!
学校再開後、すぐ活動できる。
入学式済んでないけど。
朝の連絡
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朝の健康観察 体調に問題がなければ青カードを提出。「お題」の回答にコメントして返却。コミュニケーションを図る。
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画面共有
カードをつなげて、紙芝居のように配信できる。
カードを見せる時間も設定可能。
録音カード・画像カード・動画カード
WEB文化祭やWEB合唱コンクールもできるかも。
提出箱を回答共有して情報共有箱・連絡箱・質問箱化
休校中の宿題は担任には把握しきれないので、教科係が提出箱に書き込む。
各教科の新しい宿題が、違う手段(ロイロノート・Classi・郵送)で配信されても安心。全自動(全児童)掲示板。
パソコントラブル等困りごとだが、個人的な問題でないものを共有する。
数学の質問も共有する。
もちろん個人的連絡は「送る」で直接やりとりする。
回答共有してもいいのは、根底に生徒間の信頼関係があるとき。
3. これは便利、Zoomの機能
チャット
全体に向けてチャットで発言するとクラスが盛り上がる。
文字打ちが苦手でも参加できる。
友達の発表後には「888(パチパチパチ)」
OKなときは「0(ゼロ)」、ダメなときは「x(エックス)」
反応ボタン
音声がなくても、スタンプひとつで明確な意思表示ができる。
友達の発表後に「拍手」👏
意見に賛成のとき「いいね」👍
手を挙げる✋(招待された参加者のみの機能)
バーチャル背景
背景をきっかけに対話が盛り上がる!?
Zoomに標準装備
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自分で撮影したお気に入りの一枚でも。
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自分で用意できなくてもOK! 無料素材の活用
「壁紙屋本舗」
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「unsplash.com」
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ブレイクアウトルーム(グループ分け機能)
教室での「グループワーク」が可能。画面を介しているぶん、直接対話よりリラックスして対話できるかも。
投票(有料アカウントの機能)
チャットを使わずに、アイスブレイクが可能!
レコーディング
生徒は、欠席した授業の様子をあとで見ることができる。発言に対しての反応も確認することができる。
名前変更
名前の先頭に出席番号を2桁で入れると、参加者欄で出席番号順になり、出席確認が素早くできる。
4. Zoomやロイロノートと外部のサイト・アプリを組み合わせて使うテクニック
Mentimeterを活用する
「Mentimeter」は、リアルタイムに投票結果を確認できるサイトです。Web ページから投票するタイプなので、ロイロノートの Web カードで配布して、Zoom の画面共有で結果をシェアすることができるのでとても便利です。その魅力はなんと言ってもライブ感です。投票に応じてリアルタイムに棒グラフが増えたり、自由記述の文章が流れたりします。ロイロノートの回答共通とは違う趣があって盛り上がりますよ。
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Googleフォームでリフレクション
「Googleフォーム」は、問い合わせやアンケートなどのフォームを簡単につくることのできるツールです。使用できる質問形式は「記述式」
「チェックボックス式」「プルダウン式」「ラジオボタン式」などで本格的なアンケートをとることができ、回答はスプレッドシートで自動集計されます。オンライン授業でのリフレクションにピッタリです。回答内容次第では新たな対話が生まれるかもしれません。
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YouTubeで時短 ! !
時間もかかる説明や解説などは、後で動画を見てもらうことにすると、対話の時間がつくれます。YouTube の限定公開を利用して動画を配信するのが便利です。URLを送るだけなのでサクサクですし、YouTube Studio でどの動画がよく見られているかもわかります。(まったく見られていないものも…)ロイロノートでは Web カードにして送ると、生徒も見やすいですよ。
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こんな取り組みも…家にあるものを写真に撮って提出箱に!?
サイトやアプリではありませんが、近頃は TV 番組でもよくやられている「家にある〇〇を持ってきてください」をおこなうのもいいですね。その際、Zoom ではなく、ロイロノートの提出箱に写真で出してもらうのが見やすくて便利です。回答共有しておけば生徒たちは後から見直すこともできます。さあ、家の中にある数学的なモノを提出してもらいましょう!(写真はブックカバーですが…)
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5. オンラインで対話するキモ
オンライン授業実施にあたって、考慮しておきたい事柄をいろいろな側面から考えてみます。
A. 生活指導的な側面から
学齢による違い
学ぶ子ども像によって、オンライン授業に何を求めているかが変わってきます。また扱える操作の幅も変わります。
対象が小学生や中学生の場合、注意すべき観点をまとめます。
小学生
モニターの前に長時間座ることが、まず大変。集中力を保つためにも、展開を細かく設定することが必要。
授業する先生と、子供のフォローをする先生(副担任など)のサポートがあればベター。
Zoom のブレイクアウトルーム機能でグループワークは可能だが、教員の目が届かない環境で行うリスクは高い。
子どもによっては、なかなか自由に発言できないこともある。保護者がそばで見守っているケースも。
中学生
Zoom のチャット機能でプライベートなやりとりを…。ついついお友達と授業外のことも話しがち。制限するかどうか、事前に要検討。
普段の生活環境によって、端末を扱うスキルに大きな差が開き始める。扱えない生徒は意外と多い。
生徒層による違い
同じ学齢でも、集団の特性(共学・男子校・女子校/成績層など)によって、当然扱いが変わります。
教員側がルールを敷かなくても、子供たちが自分で考えて動く『考動』ができるように、育てていきたいものです。
SOS 送受信箱としての活用
ロイロノートの「送る」機能を使うと、教員と子どもが周りに知られることなく個別でやりとりをすることができます。
「困っていることがあるが、周りの目が気になって相談しにくい…」と感じている子どもたちとの SOS 送受信機能としても、活用することができます。
B. 端末等の環境差の側面から
統一した接続環境を整えることができればよいのですが、必ずしも整えられるとは限りません。
オンライン授業のユニバーサルデザインを作るにあたり、注意すべき観点をまとめます。
スマホで見える字の大きさ
画面の拡大縮小機能があるとはいえ、たくさんの文字を1画面に入力すると、画面が小さい端末を持つ児童・生徒にとっては、見難い物となります。大き目の文字で、出来るだけ文字量も控えるとよいでしょう。
スマホで使えるファイルの種類・見え方の違い
iOS で文字の装飾をして送ったファイルは、送られた端末によって色も変われば文字の大きさも変わってしまう、なんてこともあるようです。
強調目的等でついあれこれと装飾してしまいがち。できるだけシンプルで、読みやすい形にしましょう。
ロイロノートを使って実際に送ったテキスト。 左:iOS から送信 右:受信結果。端末差によって変化した。
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縦横比も変化するようです。凝った図を送った場合、大きくレイアウトが変わる恐れがあります。
スマホで使えるアプリの機能
たとえばロイロノートのシンキングツール。iOS では使える便利な機能ですが、Android では表示されません。
端末の環境差があるときには、アプリ特有のツールは使わないほうが無難でしょう。
C. アクセス可能な時間帯差の側面から
オンライン授業後,動画や資料を再確認できるように。
家庭に端末はあっても、兄弟関係や保護者の仕事等の環境によって、リアルタイムのオンライン授業が受けられないケースもあります。
また、一度解説された問題をもう一度聞きたい・確認したい、ということもあります。
それらの問題を解決する、便利な機能を紹介します。
① Zoomの録画機能でオンライン授業を動画で残す。
「レコーディング」で録画可能。
https://gyazo.com/87280825c46e3e4aaa0c0ef514c517fc
② YouTube の限定公開(URL を知る人のみアクセス可)で動画をアップロードする。
動画をアップロード後、ロイロノートで URL を Web カードにして送る。
https://gyazo.com/1dfaf558543c7b707e255126bf4563d2
③ URL を送付する。
ロイロノートじゃなくても、メール送信できるツールがあれば何でもOK。
その時に扱った問題も併せて送付すると、あとから復習するときに探しやすくなります。
D. 習熟度差の側面から
オンライン授業中、またはその直後に個別対応する時間をとる。
同じクラスに属していても、児童・生徒によって科目の得意不得意があるのは当然のこと。子どもたちの習熟度も異なります。
対面授業でも同じですが、先生の説明を聞きながら『すぐに』理解できる子や『少しずつ噛むようにして』理解する子、いますよね。
対面授業では、子どもは先生に直接質問できます。誰かの質問を聞いているだけでも、勉強になることがあります。
その機会を、オンライン授業でも導入できたら素敵だと思います。オンライン授業は人の質問を『のぞき見』しやすい環境です。普段は先生のところに聞きに行きにくい子に対しても、フォローしやすい環境ではないでしょうか。
《最終的には、オンラインでないところがとっても大切!》
対面授業とオンライン授業、使うツールは違いますが、教員と児童・生徒が向き合って、学び合うという根本は変わりません。先生方がこれまでに培ってきた授業に対するノウハウを、オンラインというツールの中で、どう活かしていくかが大切になります。
対面授業は『教科書を教えるのではない。教科書で教えるのだ。』と、よく言われますが、オンライン授業も同じです。
オンライン授業は『オンラインツールを教えるのではない。オンラインツールで教えるのだ。』と、いうことです。
児童・生徒と対話を通して、深い学びが生まれることを願っています。