肝GVHD
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○ Graft-versus-host disease (GVHD) ! 急性肝GVHDと慢性肝GVHDに明確な違いは認められない
小リンパ球浸潤を伴った小葉間胆管や細胆管上皮の変性を認め、非化膿性胆管炎の像をみとめます。胆管上皮は好酸性を増し、扁平化や空胞形成が認められます。門脈域には多彩な炎症性細胞浸潤(好酸球、マクロファージを混在するリンパ球主体)が認められ、門脈域辺縁には再生胆管の増生がみられます。
免疫組織学染色で、浸潤するリンパ球がCD8陽性となり、サイトケラチン染色で、胆管の変性像が認められます。
門脈域周囲の肝細胞には腫大や胆汁うっ滞が認められます。
リンパ球浸潤が乏しく、虚血性胆管障害を考えます。
胆管の減少や門脈域の線維化が認められ、ウイルス肝炎や肝静脈の閉塞の合併が疑われます。
! 小葉性肝炎の像をみた場合には肝炎型、AIH型、PBC型を考える
→ 慢性GVHDとして出現し、小葉内炎症が目立つ。門脈域ではAIHやPBCの様な炎症細胞浸潤像を呈す
活動性GVHD
* 肝臓病理テキスト 診断基準 by Pathology working group Biol Blood Marrow Transplant 12:31-47,2006 Minimal Criteria for Active GVHD
Global assessment of dysmorphic or destroyed small bile ducts +/- cholestasis, lobular and/or portal inflammation
Specific Criteria for Chronic GVHD
Ductpenia, portal fibrosis, and chronic cholestasis reflect chronicity but are not specific for chronic GVHD
! 肝単独のGVHDはまれなため、ガイドラインでは他臓器にGVHDがある場合に限定される
最小基準:胆管の変性や破壊、胆汁うっ滞、肝小葉及び門脈域の炎症所見
特定基準:胆管減少や門脈域の線維化、慢性の胆汁うっ滞所見
○ c/w Graft versus host disease of the liver with hemosiderosis
門脈域は軽度の線維化やリンパ球浸潤、浮腫により軽度拡大しています。一部の小葉間胆管の上皮は腫大し、門脈域にはCD8(+)T cellが著明に浸潤しています。中心静脈周囲にも線維増生がみられ、閉塞しそうな状態となっています。また、ヘモジデリンは肝細胞に多数沈着しています。いずれもGVHDを支持する所見と考えます。